台風や豪雨などが頻繁に発生する夏と比べて、秋の今の気候は比較的過ごしやすい日々が続きますよね。そんな秋ですが、実は住宅のメンテナンスを行うのに人気な季節でもあります。気候が安定していることはもちろん、夏に受けたダメージの修復や、これからくる冬への備えという意味で人気があります。冬は豪雪地帯ではなくても雪が降ることもありますので、降雪の可能性が少しでもある地域は今の時期にメンテナンスを実施しておくと安心です。また雪と聞くと屋根のメンテナンスを思い浮かべる方も多いですが、実はベランダも雪によりさまざまなリスクに晒されます。今回はそんな雪が降ることでベランダに発生する可能性があるリスクや、行うべきメンテナンスについて詳しく解説をしていきます。
雪でベランダから雨漏りする原因とは?
雪が降ってベランダから雨漏りする、と言われてもなかなかイメージがつかない、という方は多いのではないでしょうか。雪=雨漏り、というイメージが結びつきにくいことに加えて、雨漏りは屋根から起きるもの、といったイメージが強いですよね。しかし、ベランダからの雨漏りも屋根からの雨漏りと同様、大きな二次被害のリスクが潜んでいます。では、そんなベランダからの雨漏りは、一体なぜ起きてしまうのでしょうか。雪が降ってベランダから雨漏りしてしまう原因について、詳しく見ていきましょう。
雪の雨漏りは雪解け水
雪は気温が低い状態だと雪として残っていますが、日中気温が上がることで溶けることもありますよね。特に豪雪地帯や寒冷地以外では、積もった雪が残り続けるというのは珍しいケースです。数センチ単位で積もった雪は、太陽の熱で簡単に溶けて液体になります。この液体は一般的に雪解け水と呼びますが、雨水と同様に雨漏りを引き起こす原因となります。そのため雪が降り、その雪が溶けることによって雨漏りが起きるのです。
ベランダの劣化により雨漏り
雪解け水だけでは、本来は通常の雨と同様に排水されて雨漏りは発生しません。しかしベランダが劣化している場合、排水が滞ってしまったり、ベランダの床面から直接雨漏りをしてしまったりと、雨漏りするリスクがあがってしまいます。きちんとメンテナンスをしているベランダであれば雪で雨漏りが起こる可能性も低いですが、ベランダはメンテナンスを見逃されやすい場所でもあるため、新築時からずっとメンテナンスしていないなどの場合は注意が必要です。
雪でベランダから雨漏りしたらどんな二次被害が起きる?
雪が降ることでベランダから雨漏りしてしまう可能性があるということを、知っていただけたかと思います。上記の原因を見ると分かるように、数センチの降雪だけでも雨漏りが発生する可能性はあるため、どのようなご家庭でも安心はできません。また実際にベランダから雨漏りが発生した場合は、さまざまな二次被害が発生する可能性があります。ここでは、雪で雨漏りしてしまった場合に起こる可能性のある二次被害についても解説をしていきます。
ベランダが脆くなる
ベランダで雨漏りが発生すると、ベランダの内側に雨水が入り込み、ベランダを支えるのに必要な構造体を脆くしてしまうことがあります。降雪地帯などでは雪の重みでベランダが崩れてしまう、といった衝撃的な事故が度々発生していますが、単純に雪だけの重みではなくベランダの雨漏りによりベランダそのものが脆くなっているケースもあります。そのため、今まで問題なかったのに雪の重みで崩れてしまう、といった事故が起きやすくなります。また降雪地帯でなくても、雨漏りによりベランダが脆くなっていると、人が歩いた際の振動や重みで崩れる可能性もゼロではありません。
排水不良による浸水被害
ベランダの雪が解けた後は、雨水と同様に排水口から排水されていくのが通常です。しかし劣化しているバルコニーでは、排水が滞ってしまうことも珍しくなく、酷い場合は雪解け水がバルコニーから室内に逆流してしまう可能性もあります。実際に大雨の際などには、バルコニーから室内への浸水被害は起きやすいトラブルのひとつで、夜にたくさん降った雪が日中とけて同様の被害につながる可能性も否定できません。
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カビやコケなどの蓄積
雨漏りや排水不良が起きることで、バルコニーや付近の建物内にカビやコケが発生することがあります。カビは人体に有害なアレルゲンであるため、吸い込むことでアレルギー症状を引き起こす可能性もあり、小さなお子さんやご高齢のご家族がいる場合は特に注意が必要です。ベランダを使用している際に、ベランダに発生したカビを吸い込んでしまい、アレルギーや呼吸器症状を発症してしまうかもしれません。抵抗力が弱い人によっては、命の危険につながることもあるため、「たかがカビ」と思っていても注意しなければいけません。コケは劣化したり雨漏りを引き起こしているバルコニーの床面や、隅にできることが多いです。コケをそのまま放置すると、バルコニーの性能がどんどん落ちていき雨漏り被害が拡大することもあります。またコケは緑色の目立つ色味をしているため、バルコニーが色あせて見えてしまったり、古く不潔に見えてしまうこともあります。コケは湿り気があり滑るため、歩行の際に転倒リスクもあります。
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ベランダ床の膨れや剥がれ
雪どけ水が上手く排水されずベランダに残ってしまうことで、ベランダの床の中に雪解け水が入り込み、ベランダの床が膨れたり剥がれてしまう可能性が高まります。もともと膨れや剥がれがある場合は、そのまま雨漏りのように室内に水が入り込んでしまうこともありますし、床面を覆うトップコートの下にある防水層に悪影響を及ぼすこともあります。またベランダの床が膨れたり剥がれてしまうことで、ベランダの見栄えも悪くなり、本来であれば雨水や紫外線から防水性を守るはずの床の性能が低下してしまうこともあります。膨れや剥がれだけではなく、ベランダの床が傷むことで、ひび割れにつながることもあるため注意が必要です。
室内に雨漏り症状が現れる
ベランダで雨漏りが発生しても、「室内は問題ないだろう」と思われる方は多いです。しかし、ベランダの下階が居室になっていたり、ベランダの雨漏りが発生した場所によっては、室内に影響が出てしまうことも珍しくありません。具体的には、天井やクロスにシミが付き始めたり、床が腐り始めたりなどです。ベランダが原因となっている雨漏りは実はとても気付きにくく、気付いた時にはすでに広い範囲に雨漏りが広がってしまっていたということもあります。室内に湿気を感じるようになったり、クロスにシミがついていたら、ベランダからの雨漏りの可能性も視野に入れておきましょう。
断熱材がダメージを受ける
ベランダからの雨漏りで気をつけたいのが、断熱材への影響です。断熱材は雨水に弱いものが多く、一度濡れてしまうと、断熱材の機能性が十分に発揮できないことがあります。その結果、冷暖房費用がかさんでしまったり、室内での過ごしにくさを感じるようになってしまいます。また雨水や雪解け水で濡れた断熱材は、シロアリを寄せ付けてしまう原因になることもあります。シロアリは断熱材だけではなく建物内部の木材も食べてしまうため、非常に危険な害虫の一種です。雪解け水の放置によって、住宅全体の安全に関わる可能性があります。
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雪でベランダが雨漏りした場合は火災保険適応になる?
雪の影響で雨漏りしてしまう可能性や、雨漏りを放置することでさまざまなリスクが生じるということを、知っていただくことができたかと思います。では、実際に雨漏りが発生してしまった場合は修理をしなければいけませんが、みなさん気になるのが「火災保険が使えるのか」という点かと思います。住宅の修理に火災保険が使えるケース、使えないケースそれぞれありますので、見積もりのご依頼時に火災保険に関するご質問はとても多くいただきます。そこでここでは、雪でベランダが雨漏りした際の火災保険の取り扱いについて解説をしていきます。
火災保険について
火災保険は、主に以下の3つの条件に当てはまるものに関する保証となります。
・風災・雪災・雹(ひょう)災だと認められること
・屋根修理が必要になってから3年以内であること
・屋根修理の費用が20万円以上であること(費用は保険により異なる)
加入している火災保険によって金額などの細かい設定が変わりますので、今一度火災保険の契約内容を見直してみる必要がありますが、基本的には上記にあげたような条件で火災保険の適応が決まります。
雪による雨漏りは対象外
基本的には、雪による雨漏り(すが漏り)は、火災保険の適応外となります。「条件に雪災がはいっているのになぜ?」と思われる方もいらっしゃるかと思いますので詳しく解説をすると、火災保険の雪災は、雪による直接的な被害が対象になるのです。例えば、雪の重みで屋根が破損した場合や、雪崩などが対象になります。一方で雪による雨漏りは、「水災」に該当します。水災は火災保険のオプションとして付帯されることが多く、特別なオプションに加入していない場合は、雪による雨漏りでは火災保険が適応外となります。つまり、火災保険の適応を受けて雪による雨漏りを修理する場合は、火災保険と一緒に水災補償に加入している必要があるのです。雪災と水災は似ていますが対象範囲が異なるため、注意が必要です。
冬がくる前に行うべきベランダのメンテナンスとは?
降雪により、さまざまなベランダの雨漏りやトラブルのリスクがあるとお話をしてきました。ベランダが脆くなる、などと聞くと「うちは大丈夫かな」と不安になりますよね。しかしきちんとメンテナンスを行っていれば、必要以上に心配することはありません。ここでは、雪が降る前の今の季節だからこそ検討していただきたい、ベランダのメンテナンス内容について詳しく解説をしていきます。不安な方は、今からでも遅くはありませんので、是非以下の内容を参考に必要なメンテナンスについて計画してみてくださいね。
清掃と点検
自分でもできるメンテナンスと言えば、清掃と見た目に問題がないかの簡単な点検です。バルコニーの劣化は、床面の剥がれや浮き、コケなどの汚れの蓄積などある程度目で見て分かります。また定期的に清掃を行うことで、汚れの蓄積によるバルコニーの劣化症状を防ぐことができ、掃除がてら点検も一緒にすることができます。あくまでも普段できることの範囲ですが、住宅密集地や道路に面しているバルコニーだと出る機会が少ないなどで、掃除の習慣がない方も多いです。そのため、普段できる範囲での掃除と点検は、メンテナンスのひとつとしても大切なことです。
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業者による定期点検
普段から自分で掃除や点検を行っておくことは、バルコニーの劣化や雨漏りなどといったトラブルにいち早く気付くために大切なことではあるものの、中には業者じゃなければ判断が付かないような分かりにくい劣化症状があります。また劣化症状の中にも至急対応しなければいけないようなものから、次のメンテナンスまで様子見でいいものまであるため、業者の目による定期点検の実施は大切です。定期点検の頻度としては年に1回程度で問題はありませんが、築年数や雨漏り歴によって異なるため、業者と相談しながら定期点検の日程を組むようにしましょう。時期としては、秋の時期に定期点検を行っておくと、夏に受けた台風などのダメージの有無や、冬の降雪に向けて問題ないかの確認をすることができるためオススメです。
トップコートの再施工
実際にメンテナンスが必要となった際に、多くの住宅で実施しているのがトップコートの再施工です。バルコニーは大きく分けると二つの構成から成り、上から床面であるトップコート、トップコートの下に防水層となっています。防水層は雨水の侵入を守るためのもので、トップコートは防水層を保護する役割です。そのためトップコートは5年に一度程度の再施工が必要なほど、本来であれば劣化しやすい部分でもあります。前回の施工から5年もしくは業者にトップコートのメンテナンスを勧められたら、トラブルが発生する前に行っておくと雨漏りのリスクを大きく下げることができます。
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防水層の再施工
防水層はトップコートに保護されている部分であるため、トップコートほど再施工を行う必要性はありません。しかしそれでも、10~15年に一度の再施工もしくは修理が推奨されており、普段触れていなくても定期的なメンテナンスが必要になる部分です。防水層は劣化やトップコートからのダメージを受けていると、雨漏りに直結します。そのためしっかりと定期的なメンテナンスを実施していくことが大切です。
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まとめ
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