雨漏りを業者に進められて屋根の葺き替えを検討している、という方がまず先に気になるのがスレート屋根の葺き替え費用ですよね。屋根修理は一般的にも高い金額になりやすく、そもそも本当に葺き替え工事まで必要なのかと悩まれている方も多いかと思います。今回はそんなスレート屋根の基本的な情報や葺き替え工事、メンテナンスについて詳しく解説をしていきます。
そもそもスレート屋根とは?
スレートとは粘板岩を薄板状に剥いで加工した建築材のことを示す建築用語ですが、現在では繊維素材とセメントを混ぜ合わせて加工しているものが存在し、一般的な住宅には後者が使われます。どちらもスレートと呼ばれていますが成分が違うため二つが混合しないよう、粘板岩を含んだ本来の物を天然スレート、加工されたものを化粧スレートというように呼び分けをしています。化粧スレートは屋根材カタログなどには「コロニアル」や「カラーベスト」などと表記されることも多く、一般的な日本の住宅では化粧スレートが用いられることがほとんどです。
スレート屋根のメリット
他の屋根材と比べると価格が比較的安く、新築時はもちろんメンテナンスなどで葺き替え工事を行う場合でも経済面で負担が少ないです。デザインやカラーも豊富にあり、家の雰囲気に合わせて様々なバリエーションの中から選ぶことができます。また多くの住宅で使われており普及率が非常に高い屋根となっているため、対応できる施工業者も多く工事の日程も抑えやすいです。スレート屋根は屋根材としては比較的軽い分類で住宅に負担をかけず、耐震性が高い点も特徴です。そのため地震が多い日本では、和風の住宅でも重い瓦屋根ではなく瓦屋根風なスレート屋根を使うこともあります。
スレート屋根のデメリット
軽いというメリット面がある一方で、割れやすく耐久性に劣るという点はデメリットとなります。ひび割れなどにより雨漏りをしていないかなどの確認が必要となるため、他の屋根よりもメンテナンス頻度が高く、防水性を維持するために定期的な塗装などが必要になります。使用しているスレート屋根やその状況によっては5年に一度を推奨している業者もいるほどです。
スレート屋根の葺き替え工事の費用はどのくらい?
スレート屋根の葺き替え工事の費用は、約5,000円〜7,000円/㎡と言われています。金額に幅があるのは屋根材の違いがあるためです。お使いになる素材によっては相場よりも安く収まることもありますし、逆に高くなることもあります。また葺き替え工事で新たに屋根材を取り付ける以外にも、工事全体としては撤去費用や搬入費用、足場代など様々な費用がかかってきます。建物の大きさなどで全ての金額は前後しますが、80平米前後の一般的な二階建ての戸建て住宅であれば150万~200万の金額になることが多いです。屋根の素材の金額代だけを見るとそこまで高くないと感じる方も多いですが、屋根の工事を行うには様々な費用がかかってきますので全体的に高くなりやすい部分です。
葺き替え工事の対象住宅
葺き替え工事を実施するためには、一定の基準があります。葺き替え工事を実施するうえで目安となるのが、既存の屋根の耐用年数です。既存の屋根の耐用年数がストレート屋根やガルバリウム鋼板などの場合は、25年~40年を目安に、瓦屋根の場合は50年~60年を目安に葺き替え工事を実施するのが望ましいとされています。ただし、既存の屋根材の耐用年数よりも劣化や傷みが早い場合は、築20年を目安に実施されるケースもあります。いつ葺き替え工事を行うかは、お住まいの地域の気候特性などに影響を受けるため、ケースバイケースです。屋根の点検時に業者に確認しておくと、前もって適切な葺き替え工事のタイミングが分かり、予定を立てやすくなります。
葺き替え工事以外には何がある?
スレート屋根の場合、雨漏りなどがない場合で屋根の強度が十分にある場合には「塗装工事」、下地が問題なければ「カバー工法」という方法で屋根の修理を行うことが可能です。通常のメンテナンスであれば最初から葺き替え工事となることはほとんどなく、部分的に修理していくことが多いです。塗装工事では使用する塗料により1,000~5,000円/㎡ほどの差があり、メンテナンス期間も5~15年とバラバラです。長く持たせたいのであれば金額が高くなりますがより耐久性のある塗料を使うと、屋根の防水性能を長持ちさせることができます。カバー工法は屋根の下地に問題がなく1度のみの施工が前提条件ですが、屋根の状況を見て全て取り替えて行う葺き替え工事をするほどでもないという場合に使われる工事方法です。下地分の材料費や撤去費が浮くため、葺き替え工事よりも全体的に安く済ませることが可能です。
スレート屋根のメンテナンス期間の目安は?
葺き替え工事を行ったからと言って、その後メンテナンスをしなくていいのかと言われると、そうではありません。葺き替え工事を実施した後も、定期的なメンテナンスを続けていく必要があります。ここではストレート屋根に葺き替え工事を行った後のメンテナンスについても、詳しく解説をしていきます。
定期点検は年に一度
新築の住宅であっても、台風や豪雨などの影響により雨漏りや屋根の破損などのトラブルが発生することがあります。そのため、葺き替え工事を行った後であっても、年に一度の定期点検を実施するようにすると、万が一の際にもすぐに対応することができます。単発で依頼すると5,000円~15,000円程度の費用がかかりますが、屋根のトラブルを防ぐためには定期点検はとても大切ですので、実施してこなかったという方も是非検討してみてくださいね。
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屋根全体のメンテナンスは25年~30年に一度
ストレート屋根の耐用年数について文中で先に触れておりますが、一般的には25年~30年程度がストレート屋根の寿命です。そのため、一度葺き替え工事を行った住宅であっても、その後も住み続ける予定の方は同様に25年~30年のスパンで屋根全体のメンテナンス工事を検討していく必要があります。もちろん必ずしも葺き替え工事が必要であるとは限らず、屋根の塗装工事で寿命を伸ばしたり、葺き替え工事よりも費用の負担が少ないカバー工法を選択して屋根の寿命を延ばすといった方法もあります。
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屋根のメンテナンスを怠るのはなぜ危険?
ストレート屋根の葺き替え工事を行った後でも、定期的な点検・メンテナンス工事の実施が必要であるということを、知っていただくことができたのではないでしょうか。特に葺き替え工事では屋根が新築同様になるため、「これでしばらくはメンテナンスしなくてもいい」と思われてしまう方が多いのも事実です。しかし、葺き替え工事を行った後でもメンテナンスを行っていく必要があるのは、メンテナンスを怠ることでさまざまなリスクがあるからです。ここでは、屋根のメンテナンスを怠ることでどんな危険やリスクがあるのか、詳しく解説をしていきます。
雨漏りが発生するリスクがある
屋根のメンテナンスを怠ると、屋根が劣化や損傷により屋根そのものの機能性が低下していくことにより、屋根が色あせるなどの見た目の劣化だけではなく、雨漏りが発生するリスクが高まります。初期の雨漏りは分かりにくいことが多く、室内側に症状が出始めたころには既に大きな雨漏りになっていることも珍しくありません。
断熱材や構造部が腐食する
雨漏りが発生することにより、建物の断熱材や構造部が徐々に腐食していきます。また、雨漏りを引き起こした建物は、シロアリなどの害虫に狙われやすく断熱材、構造部ともに被害を受けることがあります。断熱材の腐食は、建物の熱効率を低下させ、冬は寒く夏は暑くなってしまうのです。放置することで、更に断熱材の腐食が進み、冷暖房費用が高くなる原因にもつながります。構造部の腐食は、建物の安全にも関わる重大なトラブルのひとつです。放置することで、建物の崩落リスクなどもあります。実際に国内では屋根の雨漏りを放置してしまったことにより、建物の屋根が崩落している事故が起きているため、決して他人事ではなくどのご家庭でも気を付けなければいけないことです。
カビによる健康被害のリスクがある
雨漏りの影響を受けると、屋根や建物全体が雨水に濡れてしまうリスクがあります。雨水が建物内に入り込むと、建物の湿度は高くなりジメジメとした環境になりやすく、カビが発生してしまうことがあるため注意が必要です。カビは、人体に有害なアレルゲンのひとつであるため、カビの胞子を吸い込むことでアレルギー症状や肺炎、喘息などの持病の発端になることもあります。特に小さなお子さんや高齢ご家族、悪化リスクがある持病をお持ちの方は、命に関わる可能性もあるため、放置してしまうのは大変危険なのです。
屋根修理はどんな業者に依頼するべき?
ここまでで屋根のメンテナンスの必要性についてお分かりいただけたかと思います。しかしせっかく屋根のメンテナンスを依頼しようとなっても、初めての依頼であればどんな業者に依頼していいか分からないこともありますよね。最後に屋根のメンテナンスを初めて依頼する方に向けて、屋根業者の失敗しない選び方を解説していきます。
見積もりの透明性
見積もりを出してもらった際に、見積もりの内容が詳細で単価などが分かるようになっているものであれば、透明性のある見積もりと言えます。見積もりが「工事一式」などと一括りにまとめられてしまい、見積もりに何が含まれているのかが分かりにくくなっている場合は注意が必要です。万が一トラブルになった際に、工事内容についてこちらもある程度把握しておかないと業者に上手く言いくるめられてしまったり、業者と対等に話が出来ない場合もあります。もし見積もり内容がよく分からない場合には詳細の見積もりを出してもらうように依頼しましょう。また見積もりはできれば複数社から取るようにしましょう。そうすることで屋根修理の相場を知ることができ、いくつかの業者と比較することで悪徳業者に騙される可能性も低くなります。
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防水工事の見積書、正しい見方とは? 騙されないために気を付けたいこと
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上記の記事では防水工事の見積書の見方について解説をしておりますが、気を付けるべきポイントは屋根修理の見積書でも同様です。見積書の見方に不安があるという方は上記記事をご覧ください。
業者の対応がスムーズ
連絡した時から業者の対応についてよく観察するようにしましょう。言葉遣いやお客側に配慮があるかはもちろん、日程の確保や現場確認までスムーズに行えている業者であるかの確認をしておきましょう。対応が雑であったり連絡がなかなか返ってこない、工事の日程が確保しにくいといった業者は今後付き合って行く上で不都合が生じることもあります。対応や日程の抑えやすさも含めて依頼を考えるようにしましょう。
工事実績が豊富
初めての業者の技術力が分からないという場合は、ホームページなどに記載されている工事実績がきちんとある業者を選ぶと安心です。今は目で見て分かるように業者も様々な努力をしています。工事実績については写真付きでホームページのブログなどに工事実績を掲載している業者が多く、素人の目で見ても分かるようにしています。また似たような屋根や修理内容の住宅がどのように工事されたかを見ることもでき安心感に繋がります。ホームページに掲載していなくてもパンフレットなどにしている業者もありますし、工事実績について聞くと参考資料として今までの事例を見せてくれる業者もいます。金額の安さや言葉の上手さだけで判断せず、このように目で見て分かる情報も積極的に集めるようにしましょう。
口コミの評価が総合的に高い
口コミは実際に業者のサービスを体験した人の意見や感想を知ることができるため、業者に依頼する際の検討材料のひとつとして利用するのがオススメです。業者の対応だけではなく、技術面やアフターフォローなどについて触れている口コミなどを見ておくと、事前に業者の情報を知ることができます。しかし、口コミは第三者の介入はなく、あくまで書き手の感想に過ぎません。「悪い口コミがひとつでもあったらいけない」「いい口コミしかないから絶対安心できる」といった見方をしてしまうのは、危険です。口コミを参考にする場合は、全体的な評価を見て参考にする程度にとどめましょう。
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まとめ
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