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全労済の火災保険で屋根修理は完全にカバーできる?一般的な火災保険との違いはなに?

お役立ちコラム

「火災保険」とよく似た言葉の「火災共済」、どちらも自然災害などに保障をしてくれる制度のことですが、その違いについてご存じでしょうか。実は両方とも条件を満たせば屋根修理の補償をしてくれる頼もしい存在ですが、よく仕組みを理解していないと万が一の際に「思ったような補償をしてもらえなかった」といった事態になりかねません。今回は火災共済の中でも特に安くて人気のある全労済の「住まいる共済」を例にあげながら、屋根修理で補償される内容や金額を一般的な火災保険との違いを踏まえて解説をしていきます。

全労済の「住まいる共済」とは?

先ほどから出ている全労済という単語ですが、全労済の正式名称は「全国労働者共済生活協同組合連合会」といい、厚生省認可の協同組合のことを言います。一般的な火災保険は民間が提供しているものになりますが、全労済の場合は運営母体が協同組合となるため利益を追求しない「非営利組織」に分類されます。全労済と似たような火災共済を提供している団体としては、「都道府県民共済」「全労済」「CO・OP共済」「JA共済」などがあります。

※全労済は2019年6月から相性を「こくみん共済 coop」に変更しております。
参考元URL:https://www.zenrosai.coop/tasukeai.html

自然災害に対するサポートが手厚い

住まいる共済では、降雪・落雷・台風・地震と広範囲での災害に対してサポートがあります。具体的には以下の内容が対象です。

▶火災などのトラブル
・火災
・落雷
・破裂、爆破
・消火作業による冠水、破壊など

▶風水害などのトラブル
・暴風雨、豪雨、長雨
・突風、竜巻含む旋風
・高波、高潮、洪水
・雪崩、積雪など

▶地震などのトラブル
・地震による損壊、火災
・噴火による破損、火災
・津波による破壊

特に火災保険は「再取得価額」が保証されており、被災当時の物の価値に対する保証ではなく、同程度の物を購入・修理するために必要な金額を受け取ることができます。ただし自然災害共済のみに入ることはできず、必ず火災共済とのセットでの加入が必要になります。

特約プランも用意されている

上記が基本的なセット内容となりますが、その他にも特約を追加して万が一の際に備えることができます。特約は「類焼損害保障特約」「盗難保障特約」「借家人賠償責任特約」「個人賠償責任共済」の4種類から、必要なものを組み合わせることが可能です。「類焼損害特約」とは、自宅から火災が発生し近隣に燃え移ってしまった場合に保障されます。「盗難保障特約」は文字の通りで、盗難被害に遭ってしまった際に保障されます。「借家人賠償責任特約」は借りている部屋から火災や水漏れが発生した際に、大家さんに対して保障する特約です。賃貸契約の際に勧められたり、契約の条件として加入するように言われることもあります。「個人賠償責任共済」とは、ご自身や生計を共にするご家族が賠償責任を負ってしまった場合に保障されます。さまざまな場面に大した保障が用意されており、基本セットだけでは不安だという方に特約は向いています。

保障の対象を選ぶことができる

火災保険と同様、火災共済も保障の対象を「住宅と家財」「住宅のみ」「家財のみ」の3パターンから選ぶことができます。持ち家や購入したマンションなどにお住まいの方は「住宅と家財」、建物を所有している大家さんは「住宅のみ」、賃貸にお住まいの方は「家財のみ」といった入り方をされる方が多いですが、人によって状況は違いますので必要なものを選ぶようにしましょう。ちなみに家財ですが、家具・家電の他にも、衣類や食器類、寝具にも適応されます。

掛け金が安い

住まいる共済の一番の強みとも言える「掛け金の安さ」ですが、組み合わせによっては月々ワンコイン以下のこともあります。住まいる共済のモデルケースの例を2つご紹介します。

【戸建て(木造)/火災共済シンプルプラン加入例】
補償金額1,000万の場合
年間7,200円(月支掛金600円×12ヵ月)
年払いで200円の割引適応となり7,000円

【マンション/火災共済シンプルプラン(風水害保障なし)】
補償金額1,000万円の場合
年間3,000円(月払掛金250円×12ヵ月)
年払いで500円の割引適応となり2,500円

上記のモデルケースからも分かるように、月々の負担もかなり少ないうえに、年払いだとかなりお得感があります。

エコ住宅専用プランが付いている

エコ住宅とは環境に配慮された構造の住宅をいい、以下の内容にひとつでも該当していればエコ住宅とみなされます。

・太陽光発電システム
・家庭用燃料電池(例:エネファーム)
・オール電化住宅の電気設備
・自然冷媒ヒートポンプ式電気給湯器 (例:エコキュート)
・家庭用ガスコージェネレーションシステム(例:エコウィル)
・潜熱回収型給湯器(例:エコジョーズ)
・高効率石油給湯器(例:エコフィール)

該当がある場合、更に掛け金が数百円の割引対象になります。エコ設備がどの種類か調べるためには、電気料金の割引適用などで確認することができます。検討されている方は該当設備が導入されているかの確認も併せて行いましょう。

火災共済と火災保険、どっちがいいの?違いはなに?

ここまで読んでいただいた方は、代表的な火災共済である「住まいる共済」について知っていただくことができたかと思います。しかしこれだけでは火災共済と火災保険の違いが分かりにくい部分があるかと思いますので、一般的な火災保険と比べた火災共済のメリットデメリットをまとめていきます。どちらに加入したらいいのか悩んでいるという方は、是非参考にしてみてくださいね。

火災共済のメリット

▶メリット①:基本セットに必要な補償が入っている
基本的に火災共済では地震・水害に対する補償が、最初から組み込まれています。火災保険では火災保険加入後または同時に、必要がある方は地震や水害などの保険を選択して加入する必要があります。そのため基本セットの補償範囲が広く、それが火災共済の決め手になることも多いそうです。

▶メリット②:掛け金が安い
火災共済の最大のメリットは、掛け金の安さです。文中でモデルケースを使用して解説をしましたが、月での支払いがワンコイン以内に収まってしまうこともあり、家計の負担を最小限にしてくれます。民間の火災保険ですと、戸建ての年保険料の相場が地震保険有りで8~10万円、マンションであれば1万5千円程度が相場となりますので、比べると火災共済はかなり安いということが分かります。

▶メリット③:割戻金がある
火災共済ならではのメリットに、割戻金があります。決算を行いその年の金額に余剰が生じた場合、払い戻しが行われます。支払っている掛け金やプランなどにより変動はありますが平均して300円程度の払い戻しが行われることが多いです。火災保険は余剰は運営側の利益になるため、払い戻し制度はありません。2021年の払い戻し例が全労済のホームページで紹介されていますので、気になる方は以下をご覧ください。

※こくみん共済のタイプ別割り戻し金(2021年度)
https://www.zenrosai.coop/kyousai/kokumin/warimodoshikin.html

火災共済のデメリット

▶デメリット①:保障内容は最低限
火災共済は基本プランで幅広い自然災害に対応していますが、保障内容自体は最低限であることが多いです。火災保険は利益のために、数ある火災保険の中から契約者に選んでもらう必要があります。集客や顧客満足度が大切になりますので、火災共済と比べ保険金が高い一方で、保障内容が充実していることが多く、保障の充実度を求める方には向かない面もあります。

▶デメリット②:保障金額が少ない
掛け金が安いメリットがある一方、実際にトラブルに遭遇した際の保障金額が少ないのが火災共済のデメリットです。住まいる共済においては、全損(住宅の70%以上が損壊)でも最大300万円しか保障されません。半壊では(住宅の損壊率20%以上70%未満)は150万円、一部壊(住宅の損害額が10万円を超えた損壊)は最高40万となります。全損300万円なら十分ではないか、と思われるかもしれませんが、全損とは屋根が吹き飛ぶほどの損害を受けた場合が適応となりますので、まず滅多に発生しません。半壊なども大きな地震災害などでやっと認められる程度ですので、多くの方は一部壊に当てはまるかと思います。そう考えた際に最大40万円ということは、火災保険に比べて保障金額が少なく自費の負担が増えます。

▶デメリット③:建物以外の門扉や塀などは対象外
一般的な火災保険であれば、門扉、塀、カーポートなど住宅敷地内にある物に対しても保障の範囲内となります。しかし火災共済では、建物以外の物に関しては保障対象外となります。しかし全くでないというわけではなく、火災共済では大型タイプに加入している方であれば、「付属建物等風水害共済金」が最大で3万円保障されます。ただし門扉、塀、カーポートの損害を3万円で修理するというのは非常に難しい話ですので、ないよりはましだけれど自腹の割合が高くなる、といったことを知っておく必要があります。

火災共済で屋根修理を完全にカバーするのは難しい!

火災共済の保障金額から予想されていた方も多いかと思いますが、自然災害に遭ってしまった場合に火災共済の保障を当てにするのは危険です。しっかりとカバーする目的であれば、月々の支払いが高くなるものの火災保険を利用する方が安心です。例えば火災共済では屋根が全損し被害額が400万円だった場合でも最大300万円となり、残り100万円は自費となります。しかし火災保険の場合は100%保障されますので、適応が認められれば400万円受け取ることができるのです。払い戻しがない分、払うだけ無駄だと感じてしまう方もいらっしゃるかと思いますが、万が一トラブルが発生した際には、火災共済と比べ火災保険は非常に頼もしい存在であると言えます。ただし、火災保険の支払いが大きく家計を圧迫してしまう場合、万が一のトラブルよりもまずは目の前の生活が大切になりますので、そういった方は火災共済を利用する方が日々の生活に影響がなく、かつ多少の保障は出るという安心感もあります。火災共済と火災保険は似ていますが、メリットデメリット面が大きく違いますので、加入前は慎重に検討しましょう。

火災共済や火災保険を利用した詐欺には注意

近年、特に火災保険を利用した詐欺が増えています。火災共済も火災保険も、申請後に受けることのできる金額が確定します。火災保険は保険料が高いから、必ず保障が受けられる、というわけではありません。加入している火災保険の適応条件に一致したとしても保障は一部であったり、適応条件に一致しないとみなされてしまえばもちろん修理は自腹となります。そのため火災共済や火災保険で修理が無料になりますよ、などといった営業文句を言われた場合はまずはその業者を疑い、工事の契約をしないよう注意しましょう。

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まとめ

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