屋根の葺き替えメンテナンス時などに、ガルバリウム屋根をオススメされた、あるいは人気だという情報を耳にしたという方も多いのではないでしょうか。ガルバリウム屋根は比較的新しい方の屋根材であるものの、ガルバリウム屋根の持つ特性やメリット面から、吹き替え工事の際の屋根材として選ばれることも多いです。また屋根材の他に外壁材としても人気が高く、ガルバリウム素材の持つ独特な意匠性を求めて、自宅への採用を検討している方も多いかと思います。今回はそんなガルバリウム屋根の特徴について、ガルバリウム屋根の特徴をメリット面とデメリット面について触れながら解説し、またメンテナンス方法などについても解説をしていきます。検討しているという方は、是非参考にしてくださいね。
ガルバリウム屋根の特徴は?
なにかとよく聞くガルバリウムという素材ですが、「ガルバリウムがどんな特徴を持つ素材なのか分からない」という方は多いです。リフォームを検討している際にも、さらっと業者から「ガルバリウム屋根がおすすめですよ」なんて言われたことがあるという方もいらっしゃるかもしれません。新築・リフォーム問わず人気のあるガルバリウム屋根ですが、ここではそんなガルバリウム屋根の特徴について、今一度一緒に確認していきましょう。
金属屋根の一種
ガルバリウム屋根は、金属屋根に分類されるメッキ製品のひとつです。日本国内の製品や技術の安定性を維持するために設けられた「JIS(Japanese Industrial Standards)規格」によると、ガルバリウム屋根は「55%アルミ・亜鉛合金メッキ鋼板」と呼ばれています。業者の間では「ガルバ」と略されて呼ばれることも多いです。
金属板を折り曲げて使用する屋根材
ガルバリウム屋根は、一枚の金属板を折り曲げて加工して屋根材に使用しています。ガルバリウム屋根は非常に加工がしやすく、軽量であるため、現場でも扱いやすい屋根材として知られています。また比較的手に入りやすいため、リフォームの際も対応してくれる業者が多く、スムーズに依頼しやすいといった特徴があります。
ガルバリウム屋根のメリットは?
ここまでで、ガルバリウム屋根がどんな特徴を持つ屋根材なのか、知っていただくことができたかと思います。では、実際にガルバリウム屋根を住宅の屋根に使用するメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。ここでは、ガルバリウム屋根のメリットについて詳しく解説をしていきます。
軽量で建物への負担が少ない
金属屋根の特徴のひとつでもありますが、ガルバリウム屋根は軽量のため、屋根から建物にかかる負担を最小限に抑えることができます。屋根が軽量だということは、地震時などの耐震性にも優れるということですので、地震の揺れに強い一面があります。また、軽量であるため屋根のリフォームのカバー工法にも使用されることが多いです。カバー工法では、既存屋根を残したまま上からガルバリウム屋根を被せることができるため、屋根のリフォーム費用を安く抑えることができます。
加工しやすく複雑な屋根にも対応できる
ガルバリウム屋根は加工がしやすい屋根であるため、複雑な屋根にも対応することができます。狭小地や異形地などの土地に建つ住宅は、建物だけではなく屋根も特殊な形になりやすいため、新築時だけではなくリフォーム時の屋根選びに苦労される方は多いです。しかしガルバリウム屋根は複雑な屋根形状にも対応できる、と覚えておくことで、選択肢の幅を広げることもできます。
防水性能が高い
ガルバリウム屋根は金属でできている屋根であるため、屋根そのものが水を吸収しにくい素材となっています。そのため、屋根全体の防水性能を高いまま維持することができ、雨漏りや凍害が発生しにくい面があります。屋根からの雨漏りや凍害は建物に深刻なダメージを与えるため、防水性能の高い屋根にすることで屋根のメンテナンスにかかる費用を抑えることもできます。
ガルバリウム屋根のデメリットは?
ガルバリウム屋根には、さまざまなメリット面があると知っていただくことができたかと思います。しかし、どの屋根材にも言えることですが、メリット面があれば必ずデメリット面も存在します。ガルバリウム屋根のメリット面だけを見て施工を決めてしまうと想定外のトラブルに困ってしまう、なんてことも考えれますので、ここではガルバリウム屋根のデメリットについても一緒に見ていきましょう。
断熱性能が低い
ガルバリウム屋根は、金属屋根であるため熱伝導率が高いことにより、断熱性能が低いデメリット面があります。屋根の断熱性能が低いと、屋根から外気が伝わりやすくなり、冬は寒く夏は暑い室内になってしまいます。また冬は、外気温との気温差で屋根の室内側に結露が生じる可能性があります。結露を放置してしまうと、雨漏りに近い症状が発生し建物内部の木材が腐敗してしまったり、害虫が侵入しやすい環境になってしまうのです。ガルバリウム屋根を選択する場合は、屋根の断熱材のグレードをあげるなどの工夫が必要になります。
遮音性が低い
金属は音が響きやすい性質があるため、ガルバリウム屋根は遮音性が低い面が他の屋根より目立つことがあります。金属屋根を用いる場合は、先ほどあげた断熱性の向上だけではなく、遮音性にも気を付ける必要があります。音に対してなんの対策もしていないと、雨風が屋根に当たる音がうるさくて眠れない、室内で集中できないなんてトラブルにつながる可能性があります。
サビやすい
適切なメンテナンスができていないと、釘などの部材から錆が発生してしまうことがあります。ガルバリウム屋根のサビを放置すると、徐々に屋根に穴が開いていき雨漏りにつながってしまうこともあります。サビやすい性質をふまえたうえで、しっかりとメンテナンスをしていく必要があります。
ガルバリウム屋根のメンテナンスについて
ガルバリウム屋根は、メンテナンスフリーとして知られている屋根材だとお話をしていますが、実際には「メンテナンスをしなくてもいい」というわけにはいきません。適切なお手入れを行っていくことで、30~40年の耐用年数を発揮します。そのため、ガルバリウム屋根にする前にメンテナンスのことについてもしっかり予習しておく必要があります。検討している方の中にも「結局メンテナンスが必要なのか」と落胆した方もいらっしゃるかもしれませんが、どの屋根材でもメンテナンスは必ず行っていく必要があります。ここでは、ガルバリウム屋根の適切なメンテナンスのタイミングや、その方法、費用について詳しく解説をしていきます。
スパンは10~15年に一度
ガルバリウム屋根のメンテナンスでは、他の屋根材と同様、屋根材の上から行う塗り直しが一般的です。屋根の塗装表面は、紫外線や雨などによって劣化が進んでいくため、ガルバリウムのように強い屋根材でも放置してしまうと錆びに繋がり、最終的に雨漏りに移行してしまいます。こうしたトラブルを避けるために、10~15年スパンでのメンテナンスが必要となります。葺き替え工事をした後でも、既に雨漏りを経験している屋根だと、5~7年に一度など更に短いスパンでのメンテナンスをすすめられることがあります。
費用は30~60万円程度
ガルバリウム屋根の塗り替え時のメンテナンス費用は、一般的な30坪の住宅の屋根で30~60万円程度が相場です。最低価格との開きが2倍になるのは、使用する塗料のグレードによって左右されるためです。また、屋根の塗り替えメンテナンスでは、塗料単体の費用だけではなく、足場代や屋根洗浄台などがかかるためトータル費用が高くなります。その際に雨漏りが発覚した場合は、雨漏り修理費用も加算されます。
◎合わせて読みたい記事!
雨漏り修理の費用相場はどのくらい? 工事別修理費と応急処置の方法
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葺き替え工事の場合60~100万円程度
既存の屋根から、ガルバリウム屋根に変えたいという方は、ガルバリウム屋根の葺き替え工事の相場も知っておきましょう。こちらも一般的な大きさの30坪で換算すると、ガルバリウム屋根の葺き替え工事は60~100万円程度が相場であると言えます。あくまで相場での費用であり、屋根の面積や住宅の立地、担当する工事業者や使用する材料のグレードによって金額は変動します。しかし、屋根の葺き替え工事は高額になるケースがほとんどですので、上記で紹介したような今後のメンテナンスやその費用なども確かめた上で、今後の資金計画を明白にし、葺き替え工事を行うようにしましょう。
ガルバリウム屋根の劣化について
どんな屋根材でも必ず劣化していくものです。しかし、屋根の種類によって劣化症状はさまざまです。屋根は普段見えない部分ではありますが、劣化が進むと大きな被害につながる可能性もあるため、メンテナンスの時期や費用以外にも、知識として屋根の劣化症状について知っておくようにしましょう。
白錆び(白色腐食)
白錆びは、ガルバリウム屋根の表面のアルミニウムと亜鉛の合金が酸化し、白い粉状の腐食物が発生する現象です。湿気や雨水、汚れなどの影響で表面が濡れたまま放置されると、白錆びが発生する可能性があります。アルミニウム製の製品などに多く発生しやすい白錆びは、室内にあるアルミニウム製の家具などでも見かける機会があります。椅子の金属部分を触ったら手に臭いがうつった、という経験をしたことがある方も多いかと思います。屋根材はこうした錆びを防ぐために表面に塗装を行いますが、劣化が進むと塗装が剥がれ落ちてしまうことにより、錆びにくいガルバリウム屋根にも錆びが発生してしまうことがあります。定期的なメンテナンスで屋根の清掃を行ったり、排水不良などを防ぐことで白錆びを防ぐことができます。
赤錆び(鉄錆)
赤錆びは、鋼板の鉄成分が酸化し、赤茶色の酸化鉄が発生する現象です。身近なところでは、自転車のボディーやフレームなどによく付着している錆びのため、触れたり見たことがあるという方も多いかと思います。ガルバリウム屋根では、コーティングが損傷や剥がれて鉄成分が露出したり、隣接する他の金属部品から鉄粉が付着した場合に、赤錆びが発生することがあります。こちらも白錆びと同様、大元の原因は屋根塗装の劣化によるものです。定期的な点検で損傷や錆を早期に発見し、適切な修理や塗装で赤錆びを防ぐことができます。
電蝕(電気化学腐食)
電蝕は、異なる金属材料が接触し、湿気や雨水などの電解質の存在下で電気化学反応が起こり、金属が腐食する現象です。ガルバリウム屋根が他の金属部品(特に銅やステンレス鋼などの貴金属)と直接接触すると、電蝕が発生することがあります。金属間の接触を避けるための適切な設計や、絶縁材を使用して金属を隔てることで、電蝕を防ぐことができます。また台風による暴風や突発的な強風の発生により、屋根に飛来物が接触し、電蝕につながることもあります。強い風があった場合や飛来物が確認できる場合には、早めに屋根から取り除くようにしましょう。
まとめ
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