戸建てに住まわれている方から、「外壁のメンテナンスはなにをしたらいいですか」と言ったご相談をいただくことが多いです。特に梅雨入り前のこの時期に、外壁をきれいにしておきたいという方は多くいらっしゃいます。しかし外壁のメンテナンスと言っても、外壁の状況に合わせていくつかの種類があるため、困ってしまいますよね。そのため今回は、特に初めて外壁工事をされるという方に向けて、外壁工事の種類やメンテナンスのタイミングについても詳しく解説をしていきます。この記事を見れば、初めての方や外壁工事に関する知識がないという方でも、外壁工事の流れや種類について全体像を理解していただけます。是非参考にしてみてくださいね。
外壁工事の種類について
まずは外壁工事の種類についてのお話です。外壁工事の種類は、「修理」「塗装」「重ね張り(カバー工法)」「張り替え」の4種類があります。言葉だけでなんとなくイメージはできるかと思いますが、ここではそれぞれの工事内容について、詳しく解説していきます。
外壁の修理
外壁は劣化が進むと、外壁材の間や開口部部分の隙間にあるコーキング材が傷んできてしまうため、修理によってやり変える必要が出てきます。また外壁材の部分的な剥がれや欠落なども、放置してしまうと雨漏りの原因となるため、部分的なものであれば修理で対処します。外壁の修理はその他のメンテナンス工事と同時に行う方も多いですが、築浅でも台風の飛来物などにより外壁が傷付き、外壁の修理工事が必要になることもあります。
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外壁の塗装
外壁の塗装は、住宅のメンテナンスの中でも一番行われている工事です。外壁は、外壁の素材感を大きく左右するサイディングの上から、塗料を用いて塗装することで、外壁の防水性や耐候性を向上させています。外壁の素材がタイルやレンガなどであれば、タイルやレンガそのものに高い耐候性があるため外壁塗装を行わないこともありますが、日本の住宅では多くの住宅の外壁に塗装を行って仕上げています。しかしこの塗装も、紫外線や雨などの影響で劣化が進むと、機能が低下してしまい、長く放置することで雨漏りやカビの発生につながる可能性があります。こうした理由から、外壁の塗装もメンテナンス工事のひとつとして、定期的に行っていく必要があります。
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外壁の重ね張り(カバー工法)
外壁の重ね張りはカバー工法とも呼ばれる工事で、既存の外壁材の上から新しい外壁材を貼る工事のことです。外壁塗装だけを行う場合に比べて、外壁材が新しくなるため、住宅の外観も若返ります。しかし重ね張りを行うためには、既存の外壁の状態が悪すぎないことが大切です。既に雨漏りが起きてしまっている場合や、外壁のひび割れなどが深く下地まで達しているなどの場合、重ね張りができないこともあります。また、既存の外壁材がサイディングやモルタル、ALCパネルの場合に使うことのできる工法で、重ね張りを行う新規材料は軽量な金属系外壁材が使われます。既存の外壁材が重ね張りに向かない、重ね張りに使える外壁材が好みじゃない、などの場合も重ね張りは向かないことがあります。
外壁の張り替え
外壁の張り替えは、外壁の工事の中で一番大きな工事となります。また頻繁に行うものではないため、あまり聞き馴染のない方も多いかと思います。外壁の張り替えは、外壁材の寿命が来た際や、雨漏りで被害が大きくなってしまった際に行う工事です。外壁を新しく付け替えるため、外壁そのものの寿命も新築時同様として扱うことができます。外壁に不安がある、雨漏りが繰り返すなどの方にはオススメな工事です。その他、上記の重ね張りができなかった住宅や、軽量の金属系外壁材が好みではなく違う外壁材にしたいという方にも、オススメな工事です。下地から全てやり変えて一新する工事ですので、基本的にはできない住宅はなく、どのような住宅やデザインにおいても行うことができる工事です。
外壁工事を行うとどんなメリットがある?
外壁工事の主な4つの工事について、知っていただくことができたかと思います。では、具体的に外壁工事を行うと、どんなメリットがあるのでしょうか。文中で触れている部分もありますが、外壁工事を行うことで得られるメリットについてまとめていきます。
外壁の機能を維持できる
外壁工事を行うことで、外壁の防水性や耐候性などの機能を維持することができます。雨で外壁に付いた汚れを洗い流す、セルフクリーニング機能のある外壁材も多く登場していますが、やはりそうした高機能な外壁材も定期的なメンテナンス工事を行う必要があります。定期的に外壁工事を行いメンテナンスしていくことで、外壁は本来の機能を維持し、さまざまなトラブルから住宅を守ってくれます。
外観の美観を保持できる
住宅の外壁は、外から見ると一番目が行く部分です。そのため、外壁が汚れていたり劣化していたりすると、築年数に対して古く見えてしまうこともあります。しかし外壁工事を行うことで、外観の美観を保持することができ、築年数よりも築浅に見せることも可能です。外壁の美観はデザイン性だけではなく、外壁の美しさにも影響を受けるため、美しい外観を保ちたいと考えている方にとって、外壁工事は大切なメンテナンスのひとつです。
外壁工事を行うとどんなデメリットがある?
実害がないから・・・と、外壁工事をせずに新築時代から放置してしまっている、という方は意外にも多いです。外壁工事はお金もかかりますし、できればやりたくないと思うのは当然の心理です。しかし外壁工事を行わないことで、さまざまな不具合やデメリットが発生します。今特に問題がないと思っている方も、知らないうちに住宅に負担がかかっていることもありますので、外壁工事の重要性を知るためにも、以下の内容を読み頭に入れておくようにしましょう。
雨漏りが発生する
外壁工事を怠ることで一番怖いのが、雨漏りの発生です。劣化により外壁の性能が低下した状態では、いつ雨漏りが発生しても不思議ではありません。また外壁から雨漏りした場合、気付けないことも多いです。雨漏りは必ず目に見える室内側にするとも限らず、壁の中や天井裏、床下などに染み込んでいくことで発生することもあります。住宅が木造でもRC造でも関係なく、雨漏りは住宅の安全性を脅かす怖いトラブルですので、外壁工事を放置することで知らないうちに危険に晒されているかもしれないと、危機感を持つことは大切なことです。
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カビが発生し、健康被害につながる
雨漏りに長い期間気付けないで放置してしまうと、今度はカビが発生しやすくなってしまいます。カビは人の目に見えないくらい小さな胞子を飛ばすことで、繁殖範囲を広げていき、また一度発生してしまうと完全に取り除くことが難しい厄介なものでもあります。カビの胞子は住宅のさまざまな場所に広がり、そのうちに人間が胞子を吸い込むことで、アレルギーを引き起こすことがあります。咳が止まらない、などのケースで住宅のカビが原因していることは実はよくあることです。カビの胞子は最悪の場合肺炎にもつながり、小さなお子さんや高齢者、持病のある方にとっては命の危険につながる原因にもなります。すぐに対応できるようにするためにも、雨漏りでカビが発生し、健康被害につながる危険性について知っておくようにしましょう。
外観の美観を損なう
外壁の劣化は、外壁の美観を大きく損ないます。特にカビや錆びなどは、見た目にも大きく影響し、色も汚れて見えてしまうことがあります。また、劣化症状を放置したままにしておくと、外壁が破損してしまったり欠落し、外観がくたびれた印象になってしまいます。
外壁工事のタイミングと費用相場は?
今現在、外壁工事を検討されている方も多いかと思います。しかし、実際に気になるのは外壁工事を行うタイミングとその費用ですよね。素人目には判断しにくい部分もあり、いつ外壁工事をすべきか見極めが難しいことがあります。そのため、ここでは一般的に言われている外壁工事を行うべきタイミングと、その費用相場について解説をしていきます。外壁工事を検討している方、実際に雨漏りなどの実害があり困っている方、外壁工事の計画を立てる上で是非参考にしてみてくださいね。
外壁の修理
▶工事のタイミング
外壁の修理に関しては、どんなに小さな異変でも「気付いた時に」依頼するようにしましょう。具体的には外壁が劣化していると目で見て判断できる時、外壁が変色している時、雨漏りが発生した時などです。放置してしまうことで文中でお話しているようなデメリットが発生することがあります。外壁の修理は個人で対応している方も多いですが、可能であれば専門知識を持ったプロの業者に修理依頼するようにしましょう。
▶費用相場
軽度で部分的な修理であれば5万~10万円程度、雨漏りにつながるような劣化部分の修理であれば20万円程度と言われています。ただし、場所や劣化症状によっては足場を組まなければ作業ができないケースもあります。足場は一般的な住宅でも15~20万円になるため、外壁塗装などと組み合わせて一度に修理とその他の工事を終わらせてしまうという方も多いです。なぜ足場代がそんなにかかるのか、疑問に感じる方も多いかと思いますので、足場について詳しく解説している記事も是非以下のリンクから合わせてご覧ください。
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外壁の塗装
▶工事のタイミング
外壁塗装工事は、使用している外壁塗料のグレードによっても、メンテナンスを行うタイミングが変わります。一般的な中間グレードの塗料であれば、15~20年の耐用年数があるとされているため、10年~15年に一度のメンテナンスを行っていくことが望ましいです。しかし、既に雨漏りを経験している外壁の場合は5年~7年など、より短い期間でメンテナンスを行うことで雨漏りの再発を防ぐことができます。
▶費用
一般的には30坪の住宅で、90万~120万円ほどの費用がかかると言われています。塗料のグレードに左右される部分がありますので、低予算で実施したい方は塗料のグレードを下げるなどの対応も可能です。しかし塗料のグレードによっては、耐用年数が10年未満と、一般的な耐用年数以下で逆にメンテナンスコストがかかってしまうというケースもあるため、塗料は安ければいいというわけでもありません。メンテナンス計画も踏まえた上で、外壁に使う塗料を検討していくようにしましょう。
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外壁の重ね張り(カバー工法)
▶工事のタイミング
外壁の劣化が進み、外壁の修理や塗装だけでは十分に対応できない場合、また既に美観が損なわれている場合などの際に、外壁の重ね張り工事を行います。築浅の住宅で行う例はまれで、多くの場合築20年以降の住宅で行われます。定期的に外壁の修理や塗装工事を行っている場合でも、重ね張りを行うこともあり、住宅のそれぞれの劣化状況に合わせて工事のタイミングは判断されます。築20年以上の住宅で、広い範囲にわたって劣化症状が見られる場合は外壁の重ね張り工事を検討しましょう。
▶費用
使用する外壁材の種類やグレードにもよりますが、30坪の住宅で200万円前後が一般的な費用相場です。施工面積が狭い、30坪よりも小さな住宅であれば更に費用は安くなりますし、3階建てなどで施工面積が増える場合は同じ30坪でも数十万円高くなることもあります。
外壁の張り替え
▶工事のタイミング
外壁の重ね張り工事では対応しきれない大きな劣化や雨漏りなどが起きている、築20年以上の住宅に適応される工事です。そのため現在外壁の大きなトラブルが発生している、築20年以上経過している住宅は、外壁の張替え工事を検討してもいいタイミングです。
▶費用
使用する外壁材にもよりますが、下地から全てやり変えるため30坪ほどの住宅で200万~350万と、工事としても一番高額な金額になります。一世代が住む住宅で外壁の張替えを行うのは、1回程度です。そのため基本的には何回も行うものではなく、住宅の状態によっては行わなくても問題がないこともあります。外壁の張り替え工事は特に高額な費用がかかるため、複数業者から見積もりを取り慎重に決断をしましょう。
外壁工事を依頼する際の注意点は?
外壁工事は、依頼する業者の技術に左右される部分もあるため、業者選びは慎重に行う必要があります。最後に、外壁工事を検討している方に向けて、業者選びや依頼する際の注意点を解説して終わります。
業者のホームページを確認する
外壁工事はどの工事においても高い費用がかかります。そのため、お願いする業者のことは契約前にしっかり調べておきましょう。特に近年は、悪徳業者なども外壁塗装業者などを装っていることもあります。悪徳業者と優良業者を見抜くために、まずは業者のホームページを確認し、業者の連絡先や所在地などもしっかり見ておきましょう。業者によっては、施工実績をホームページで紹介している業者もありますので、そうした目に見える情報も事前に確認しておくと安心ですよ。
現場作業員の資格の有無を確認する
外壁工事を行うにあたり、現場で作業する作業員の資格の有無も確認しておくと安心ですよ。資格はなくても工事が行えますが、初めて依頼する業者の場合は、例え業者に高い技術力があっても私たちには判断することができません。しかし資格は、一定の知識と技術を有する人に与えられているものですので、心配な方は外壁工事に関する資格がある作業員を指名するなどして対応すると、より安心して作業を依頼できます。
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最低でも2~3社に相見積もりを行う
雨漏りなどのトラブルが発生している場合、工事の依頼を焦ってしてしまいがちですが、外壁工事の場合は最低でも2~3社に対して相見積もりを行うようにしましょう。相見積もりを行うことで費用の相場観をつかむことができ、明らかに安すぎる、あるいは高すぎる業者を見極め避けることができます。それぞれの業者に会うことで、業者による対応の差なども確認することができます。つい安い業者にお願いしたくなりますが、外壁工事の場合は金額意外にも、業者の対応やアフターフォローについてなども踏まえて確認しておくと安心ですよ。
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まとめ
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