バルコニーのメンテナンス時期が近づいてくると劣化のサインが出始めたり、雨漏りなどのトラブルが発生することもあります。年末年始はお休みの業者が多いため、「できれば年内に防水工事を済ませておきたい」と考える方もいらっしゃるかと思います。しかし気になるのはやはり工事にかかる費用ですよね。防水工事は値段もかかりますし、思い付きでできる工事でもありません。今回はそんなバルコニーの防水工事の費用や、オススメなメンテナンス時期について解説をしていきます。年内の工事、まだ間に合う可能性もありますので是非検討してみてくださいね。
バルコニーの防水工事の「種類」と「費用」
バルコニーは、雨や風など天候の影響を受けやすい場所です。外部に露出している場所からは雨水などが入りやすく、何の対策もしていないと雨漏りの侵入経路になってしまいます。そのためバルコニーや屋上などに防水工事を行うことで、建物内に雨水が入り込むことを防ぎます。防水工事という言葉を聞きなれない方もいらっしゃるかと思いますが、戸建て住宅にも必ず行われている工事です。一般的な戸建て住宅のバルコニーの防水工事は8万円~15万円と言われておりますが、バルコニーの大きさや行う防水工事の種類によって変わってきます。ここではバルコニーの防水工事の種類と、その費用についてそれぞれ解説をしていきますので、ご自宅のバルコニーの大きさに合わせて費用を算出してみましょう。
ウレタン防水
費用相場:4,000~7,000円/㎡
ウレタン防水とはウレタン樹脂塗料を重ね塗りし、ゴム状の防水膜を作る防水方法のことです。完成後は歩くと弾力のあるゴム質な床になります。ウレタン防水工事には2種類あり、ほとんどのベランダでは「密着工法」という方法がとられますが、雨漏りをしているなどの異常がある場合は「通気緩衝工法」を使用します。密着工法は補強布+防水材といった施工を行いますが、通気緩衝工法では通気をよくするために通気緩衝シート+防水材といった施工になります。屋根やベランダの形にとらわれず仕上がりもきれいな施工方法ですが、職人の技術力に左右される工法でもあります。
FRP防水
費用相場:5,000~7,000円/㎡
FRPは繊維強化プラスティック(Fiber Reinforceed Plastics)の略称で、新築戸建て住宅に多く使われている工法です。軽量なのに強度があるというメリットは日本の木造住宅にぴったりですが、紫外線のダメージを受けやすくメンテナンス回数が多くなりやすいというデメリットもあります。FRP防水が新築住宅に多く使われるのは、軽量でありながら強度があり住宅構造への負担がかかりにくく、木造住宅などの施工に適しているためです。また速乾性があるため他の工法と比べても施工日数が1~2日と少なく済みます。ただし紫外線に弱いため経年劣化を起こしやすいといったデメリットもあります。
シート防水
費用相場:4,000~7,000円/㎡
シート防水とは、ゴム製のシートを床面に貼り付けて仕上げる工法です。「塩ビシート防水」「塩化ビニールシート防水」「合成ゴム系シート防水工法」など様々な種類のシート防水がありますが、全てまとめて「シート防水」といいます。その場で作り上げていくウレタン防水などとは違って、シート防水は工場で作られたものをはっていく作業のため品質が安定しているという特徴があります。ただし既製品をはりつけていくため、複雑な形の屋根やベランダにはできない工法でもあります。
アスファルト防水
費用相場:5,000~8,000円/㎡
アスファルト防水とは、合成繊維不織布のシートにアスファルト製の専用シートを使った防水工事のことです。アスファルト防水には工法が「トーチ工法」「常温工法(冷工法)」「熱工法」の3種類あります。使用する機材の量に金額が比例しており、安い順にトーチ工法、常温工法(冷工法)、熱工法となっております。それぞれ状況に応じて使い分けていくものですので、住宅のメンテナンスは何工法なのか見積もりを確認しましょう。
バルコニーの防水工事、メンテナンスを行うタイミングは?
金額の相場が分かると、経済的な計画も立てやすくなりますよね。今度は、どのタイミングでバルコニーのメンテナンスを行うかが気になりますよね。基本的にバルコニーのメンテナンスは、10~15年に一度と言われております。そのため防水工事は頻繁に行う工事ではありませんが、同じ家に住み続ける以上は必ず行う必要のある工事となります。また「なにか異常が出た時に依頼すればいいや」と工事を後回しにされてしまう方は意外にも多いですが、バルコニーの防水工事は雨漏りが発生する前に行うことをオススメします。
年に1回の点検もオススメ
バルコニーのメンテナンス工事自体は、10~15年に一度のタイミングで推奨されていますが、工事以外にも年に1回ほどのペースで点検を実施していくのがオススメです。点検では、知識のある専門業者が目視や触診で劣化・雨漏りを確認していきます。点検を実施することで、被害が拡大する前に修理を実施することができ、バルコニーだけではなく建物全体を守ることができるのです。
雨漏り履歴がある場合は5~7年スパンのメンテナンス計画を
雨漏り履歴がある住宅では、そうではない住宅と比べて雨漏りを繰り返しやすい傾向にあります。そのため、既に雨漏り履歴がある場合のメンテナンス期間は、少し短い間隔での5~7年で考えていきましょう。ただし住宅によってケースバイケースですので、例え雨漏り履歴があったとしても、必ずしも短い期間でのメンテナンスが必要になるというわけではありません。雨漏りの原因によって状況は異なるため、実際のメンテナンス実施のタイミングについては、点検の際などに業者と決めるようにすると、住宅にあった適切なタイミングでメンテナンスを行うことができます。
メンテナンスを怠ると何が起きる?
バルコニーはどんなに丁寧にお手入れなどを行っていたとしても、雨風や紫外線によって日々劣化していきます。また必ずしもバルコニーから侵入した雨水が室内に届くとは限りません。そのため、気付かないうちに雨漏りが進行してしまっていた・・・なんてことにもなりかねません。バルコニーの防水工事のメンテナンスを怠るということは、雨漏りが発生してしまう可能性が高いということです。ここでは、メンテナンスの重要性を知っていただくためにも、メンテナンスを怠ることで発生するリスクについて解説していきます。
雨漏りが発生する
バルコニーのメンテナンスを怠ると、やはり一番リスクがありのが雨漏りです。バルコニー床面にひび割れが生じることで、そこから防水層に雨水が流れ込んでしまったり、排水不良による住宅側への逆流・浸水被害が発生することもあります。
重要な構造部がダメージを受ける
雨漏りの症状が進むことで、バルコニーや建物の重要な構造部分が腐食し、ダメージを受けてしまうことがあります。建物の構造部がダメージを受けると、最悪の場合、バルコニーや建物の崩壊の危険があり大変危険です。住んでいる人の安全面にも関わる、大きな問題につながりかねません。
内装や家具が影響を受ける
バルコニーから雨漏りが発生すると、天井や壁のクロスに雨漏りのシミが発生することがあります。床面に雨漏りが伝ってしまうと、今度は床材を腐らせてしまったり、家具を腐らせてしまう可能性もあります。バルコニーからの雨漏りは、建物内部に入り込んでくることで、内装のインテリアにも大きな影響を与えてしまうのです。
カビが発生する
雨漏りが発生した箇所は、ジメジメした環境になりやすいため、多湿の環境を好むカビが発生しやすくなります。カビは、人体に有害なアレルゲンのひとつであるため、カビの胞子を吸い込むことでアレルギーを発症する可能性があるのです。面液力の弱い小さなお子さんや高齢者、また喘息などの持病がある方にとっては、命に関わることもあるため注意しなければいけないトラブルのひとつです。
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断熱材がダメージを受ける
雨漏りやカビの発生により、断熱材がダメージを受けることがあります。断熱材がダメージを受けると、住宅全体の断熱効率が下がり、冬は寒く夏は暑い住宅環境になりやすくなります。また、熱効率の低下により冷暖房費用があがる可能性が高まります。
害虫を誘発する
バルコニーの劣化部分や雨漏り部分から、害虫が建物内に侵入しやすくなります。特に、雨漏りをして腐食した木材や湿気を含んだ断熱材は、シロアリなどの害虫の餌になりやすく、害虫による住宅全体へのダメージも懸念されます。
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電気トラブルのリスクがある
雨漏りが発生すると、まれに電気トラブルにつながることがあります。特に冬の時期は乾燥しているため、電気トラブルから電気火災につながるリスクもあるため、注意しなければいけません。その他に漏電が発生していると、住宅のコンセントで怪我をしてしまったり、家電が壊れる原因にもつながります。
依頼する業者選びも大切!
防水工事では、依頼する業者選びも大切になってきます。防水工事は種類や屋根の形状によって難易度か変わり、場合によっては高い技術力を求められる工事もあります。そのため金額も大切ですが、業者の技術力が仕上がりに大きく影響します。決して安くはない防水工事の費用、無駄にしないためにもいい業者を選ぶための知識を身に付けましょう。最後に業者選びのポイントについて解説をして終わります。特に初めて防水工事を依頼するという方は、工事契約を結ぶ前に以下の内容を参考にしてみてくださいね。
「防水施工技能士」を持っている業者
業者の実力や見慣れない防水工事の症例写真などを見ても、素人判断ではどの業者が技術力がある業者なのかを見抜くのは難しいものです。そのため初めて依頼するという場合は特に「防水施工技能士」を持っている業者を選ぶのもオススメです。実は防水工事は資格がなくても工事ができてしまうため、資格が義務付けられていません。昔ながらの職人さんなどは腕がよくても資格は持っていない、ということもあり必ずしも資格=腕前というわけではありませんが、初見の業者の技術力を見抜くためには資格の有無も判断材料のひとつになります。防水施工技能士は厚生労働省が認定する国家資格のひとつで、都道府県職業能力開発協会によって実施されている技能検定試験に合格した者が名乗ることのできる資格です。資格保持者は防水工事のスペシャリストともいえる存在で、安心して防水工事を任せることができます。
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見積もりが詳細な業者
見積もりが「防水工事一式」などと簡潔にまとめられ、材料や詳細な諸経費に対する費用が分かりにくい見積もりなどは要注意です。きちんとした業者であれば見積もりも詳細ですが、悪徳業者の詐欺手口として簡潔な見積もりにしておいて、後から材料代などを請求してくるといったこともあります。こうなってしまうと材料費の単価が分からず、追加請求された費用が妥当かどうかも判断できません。そのため最初の段階で詳細な見積もりを出してもらい、抜けはないか、追加費用はかかることはないかをしっかり確認しておきましょう。また見積もりは1社からではなく、最低でも2~3社からの相見積もりをとり、金額や工事内容などをよく比べてから依頼するようにしましょう。
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対応が丁寧で早い業者
いつもだるそうにしている、質問をしても専門用語ばかりで親切な返答が得られない、返事が遅い・・・など業者の対応に不快を感じたなどの経験はありませんか? 防水工事だけに限らず業者の対応や返事のスピードは、「合わない」と不快に感じてしまう場合とても大きなストレスになります。工事を円滑に進めていくためには、業者とのコミュニケーションはとても大切になります。いくら技術力があってもコミュニケーションが取れていなければ希望も上手く伝わりません。工事を成功させるためには業者との相性が合うかも、大切なひとつの要素になります。
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口コミの評価がいい業者
業者選びを行ううえで、技術や見積もりなどももちろん重要ですが、口コミを確認しておくのもオススメです。口コミは、明確な評価基準がなく個人の感想により評価にばらつきが出てしまうデメリットがある一方で、実際に業者に依頼した人の感想を知ることができる情報源でもあります。口コミを確認するためには、口コミサイトやGoogleマップの口コミを見る、SNSで探すなどさまざまな方法がありますが、確認することができる情報は確認し、できるだけ多くの口コミを見ておくようにしましょう。
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まとめ
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