9月に入ると多くなるのが台風です。台風は海水温が上昇する夏から秋にかけて多く発生しますが、9月前後は特に台風が発生・発達しやすい条件が揃います。もう既に日本にたくさん到来している台風に、今現在悩まれている方や悩まされた経験をお持ちの方も多いのではないかと思います。台風は交通機関や農作物に影響を与えるだけではなく、時に私たちの生活に必要不可欠な住宅への被害ももたらします。台風の大雨や突風などは屋根を吹き飛ばしてしまったり、劣化が進んだ建物へ負担をかけ雨漏り被害に繋がるケースが多く、9月は雨漏り被害の修理や相談の電話が年間を通しても多くなります。雨漏りは重大な二次被害につながる可能性もあるため、出来る限りすぐに対処したいですよね。特に雨漏り被害が内側に及んでしまっている場合は、住宅構造部だけではなく室内の目に見える部分での被害も広がっていってしまいます。今回はそんな住宅内側に侵入してきてしまった雨漏り被害に対して、自宅にあるもので誰でもできる応急処置の方法をご紹介していきます。
なぜ雨漏りには応急処置が必要なの?
雨漏りが発生した際は、その度合いによってプロの業者が到着するまでの間に応急処置をしなければならない場合があります。プロの業者が到着するまでの短時間でも応急処置を行うか行わないかで、その後の住宅の寿命や二次被害の被害範囲が大きく変わってきます。雨漏りの発生原因は様々で、時にプロの業者でも発生場所や原因を見抜くのが難しい時もあります。室内側まで雨漏りが浸食してしまっている場合は、既に建物内部の目に見えないところも雨漏り被害が進んでしまっている可能性が高いです。しかしだからといって室内に入り込んできてしまった雨漏り被害を応急処置をせず放置をしてしまうと、さまざまな二次被害につながる可能性があります。では実際にどんな二次被害が発生するのでしょうか。一緒に見ていきましょう。
害虫の発生
雨漏りを放置することで、建物内外部が腐り、害虫が入り込みやすい環境になります。害虫は普段気を付けていたのに住宅に入り込んでしまった、という経験をした方も多いのではないでしょうか。少しの隙を見つけて入り込んでくる害虫にとって、雨漏りによって腐った部分は常に侵入がしやすい部分にもなってしまいます。また、シロアリなどは雨漏りが原因で発生した小さな隙間から入り込み、住宅内部の木材を食べつくしてしまいます。害虫は見ていても気持ちのいいものではありませんが、住宅内部への侵入を許してしまうと、住宅の安全にも大きく影響するため危険です。
健康被害の発生
雨漏りした部分を長い期間放置してしまうと、床材やクロス部分でカビが発生します。カビは高温多湿な環境下を好んで繁殖をし、一度深く根付いてしまったカビは完全に落とすことが難しいとも言われています。また、カビは人間の目には見えないほど小さな胞子を飛ばして繁殖範囲を広げていくため、一部分の雨漏りを放置することにより家全体にカビが広がってしまうこともあり得ます。カビは見た目が黒い、赤いなどさまざまなものがありインテリアや清潔感に影響を及ぼすだけでなく、人間の人体にとっても有害であることが分かっています。カビはアレルゲンのひとつであるため、アレルギー性肺炎や喘息の引き金になることがあり、とても重大な問題となっています。
下階への被害拡大
雨漏りが発生した場所が住宅の二階部分であったり、賃貸で下階に住居スペースがある場合、雨漏り被害が下階へ拡大してしまうこともあります。下階への影響としては、天井のシミであったり、カビ、漏電が起きる可能性があります。また酷い雨漏りを放置している場合、雨のたびに下の階まで突き抜けて雨漏りしてしまうこともあります。ここまで雨漏り被害が進んでしまうと、安全上の問題も懸念されます。また、意図的に雨漏りを胞子ていることで発生した賃貸下階への被害は、修理費用や弁償費用を請求されることもあります。集合住宅などでは特に、雨漏りを放置することで自分以外にも被害が及ぶ危険性があると覚えておくようにしましょう。
雨漏りを内側から修理する方法
台風でよく発生する雨漏りの場所別に応急処置の方法をご紹介していきます。自宅にあるもので対応可能ですので、今すぐにでも実践していただけます。またこれから増える台風に備え、万が一の際にも覚えておくだけでも焦らず対応できるようになります。
窓枠からの雨漏りには「防水テープ」
台風の際に発生しやすいのが窓枠からの雨漏りです。台風発生時はよく「横殴りの雨」という表現をしますが、言葉の通りまさに強風や豪雨を横から受け続ける窓は雨漏りが発生しやすい状況です。窓枠からの雨漏りはコーキング剤の劣化が主な原因で、雨が降った際にその劣化部分から染みだすように雨漏りを起こします。そのような窓枠からの雨漏りには防水テープでの修理が有効です。まずは雨漏りした部分の水気をバスタオルなどでしっかり拭き取り、窓枠をかこうように下から上へ防水テープを強く圧をかけ、密着させながらはっていきます。窓枠に防水テープをはることで一時的に雨水の侵入を防ぐことができます。段差があるような窓で防水テープをはることが難しい場合は、雑巾などのタオル類を窓枠に沿って敷き詰め雨水を受け止めるようにしておくことで室内側が水で濡れてしまうことを防ぐのに有効です。
天井からの雨漏りは「バケツ」と「ブルーシート」
天井からぽたぽたと滴り落ちるようにして発生している雨漏りには、バケツでそのまま受け止めてしまうのが一番です。発生個所が広い場合には、床を傷めてしまわないようにブルーシートやビニール袋などを敷いて床を保護し、その上からバケツもしくはバスタオルなどをおいて雨水を受け止めるようにしましょう。シンプルな方法ですが一番確実で、天窓など高所部分にある窓からの雨漏りにも使える応急処置です。電化製品や家具が近くにある場合は雨水が当たらないようによけておくのが安全です。すぐによけられないような大きな物であれば家電や家具ごとブルーシートを被せておくと安心です。家電を動かす際はコンセントを抜くことがあるかと思いますが、雨漏り被害が進行していることによってまれに漏電を起こしている可能性があります。そのためコンセント部分には直接触れないように電源を抜くようにしましょう。
◎合わせて読みたい記事!
急な雨漏りの応急処置は、ブルーシートで! 雨漏りを防ぐためにできることは?
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クロスの剥がれと雨漏りには「ジョイントコーク」
雨漏りによってクロスが剥がれてしまったり浮いてしまうことがあります。その場合は剥がれてしまった部分のクロスを十分に乾燥させた後で、ジョイントコークを用いて簡単にくっつけることができます。ジョイントコークとはコーキング剤の一種で、誰でも簡単にクロスなどの剥がれや浮きを修理することができる優れものです。使い方はボンドのように修理したい箇所に付けるだけです。ただしクロスの内側がカビてしまっている時は下地材から修理する必要があり、個人では対応が難しいです。カビを発見したら作業を中断しすぐにプロの業者に連絡しましょう。また広範囲での剥がれや浮きの場合はジョイントコークだけでは修理が不十分なこともあります。この場合も無理に手を付けず業者に連絡をするようにしましょう。
内側からの修理が終わったら、プロの業者に連絡を!
内側からの雨漏りに対して修理が完了したら、プロの業者に連絡をするようにしましょう。「応急処置をしたら雨漏りがやんだから問題ないのではないか」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、室内側から見える雨漏りが被害の全てとは限りません。雨漏りは屋根や外壁の破損やひび割れなどにより室内側に侵入してしまいますが、室内側から目に見える雨漏りは一部で、実は屋根裏などで雨漏りによる木材の腐敗が進んでしまっていたなんてこともよくある話です。そのため一度雨漏りが発生したら必ずその原因を突き止め、雨漏りが発生した部分とその原因を取り除くための修理を行わなければなりません。
必要に応じて応急処置も依頼できる
プロの業者に依頼するメリットとしては、修理の必要な部分の根本的な改善ですが、自分自身では対処しきれないような応急処置にも対応してくれるところです。例えば台風などで屋根の一部分が飛ばされてしまった、天井などの高所作業に不安があるなどの方は、バケツで受け止めるなど必要最低限の対策を行いつつプロの業者に応急処置の手助けをしてもらいましょう。ただし台風の際はプロの業者であっても屋外での作業が難しいケースがほとんどですので、身の危険を感じるような被害にあった場合は避難を優先しましょう。
賃貸の場合は先に管理側に報告・確認をする
お住まいの住宅が賃貸の場合は、先に管理側である大家さんや管理会社に連絡をするようにしましょう。今すぐ業者の手配が必要な場合であっても、賃貸の規約で業者は管理側が指定する業者の手配と決めていることも多く、先に自分で業者を呼んでしまうと管理側とのトラブルに発展してしまうこともあります。そのため、賃貸の場合は先に管理側へ連絡し、現状の報告と対応の確認をするようにしましょう。
台風に備えて計画的なメンテナンスも大切
梅雨や台風など、普段よりも降水量が増える時期はその他の時期に比べて雨漏りも発生しやすくなります。今まで大丈夫だったから問題ない、と軽く考えているとある日突然雨漏りが発生して焦って修理を依頼するなんて事態になってしまいます。そのため計画的なメンテナンスはとても大切です。しかしどのタイミングでメンテナンスを行っていいか分からない、という方も多いかと思います。最後に台風シーズンに向けて、どのタイミングでメンテナンスをするべきかお話していきます。是非参考にしてみてくださいね。
梅雨明けから7月までの時期がオススメ
台風シーズンが到来する前にメンテナンスを行いたいという方であれば、梅雨明けから7月までの間に行うのがオススメです。もちろんそれよりも前、梅雨がくる前にメンテナンスを終えておくと一番降水量が多い時期に万全の状態で過ごせるため安心ではありますが、滑り込みでなんとかメンテナンスを終えたいという方であれば梅雨明けから7月までの時期を目指しましょう。この期間にも台風が発生する危険性はあるため、天気予報はしっかりと見て計画をしていくことが大切です。8月9月に入ると日本は台風が到来しやすいタイミングとなるため、メンテナンス計画が思うように進まないこともあります。そのため、できる限り台風前のシーズンにメンテナンスを終わらせておくようにしましょう。
業者の手配は余裕を持って1~2ヵ月前から行う
台風シーズン前後は、メンテナンスや修理の依頼が増えてきます。そのため、業者に依頼したい時期よりも1~2ヵ月ほど余裕を持って連絡するようにしましょう。メンテナンスや修理は事前調査が必要なことも多く、立ち合いや見積もりの確認も必要です。また工事日程は週末にかけて人気となるため、希望日程を抑えるためには早い段階で予約しておくことが大切です。
工事費用の計画も忘れずに
屋根や外壁のメンテナンスにおいては、全面的な工事を行う場合100万円以上になることも珍しくありません。また高所作業においては高額な足場代も発生するため、屋根や外壁のメンテナンスは一度に行ってしまうのがお得に済みます。しかしいずれにしても住宅のメンテナンス費用は高額になりますので、しっかりとした工事費用の計画も大切です。こうした修理・メンテナンスなどにはリフォームローンが使えることもありますので、手元にお金を残したいけれど住宅のメンテナンスはやっておきたい、という方は是非以下の記事を参考にしてみてくださいね。
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雨漏り修理はリフォームローンが使える! 急な出費に備えて覚えておきたいローン事情
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まとめ
イーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。もし他社の見積もりがあればご持参ください。当社との見積もりの見比べやご相談にも対応可能ですので、是非お気軽にご連絡ください。