ふと天井を見た時にシミができていたり、ぽたぽたとたれる水滴で雨漏りに気付くことがあります。雨漏りは放置すると壁や床にも被害が拡大してしまったり、カビが発生してしまったりといいことは一つもありません。しかしやはり気になるのが修理費ですよね。初めて依頼する方にとっては「どのくらいの修理費がかかるんだろう」と不安に思われるかもしれません。雨漏り修理は費用相場を知っておくことで、業者に依頼する時にスムーズに対応できます。今回はそんな雨漏り修理の費用相場について、修理の内容別にそれに伴う費用を解説していきます。これから業者に依頼しようと考えている方は、業者選びのコツなどもご紹介しておりますので是非最後までご覧ください。
雨漏り修理の原因調査の費用相場
雨漏りは修理・工事を始める前に原因調査を行う必要があります。どこから雨漏りをしているか明確な場合であれば問題はありませんが、その場しのぎの応急的な修理を行っても原因が特定できていなければ、雨漏りは何度も繰り返してしまいます。ここでは原因調査の種類と、調査にかかる費用相場を解説していきます。※金額に関しては建物の大きさで変わってきますので一般的な住宅の場合の目安としてご覧ください。
①問診・目視調査
費用相場:無料
問診とは業者からの「いつから雨漏りをしているのか」「どこから雨漏りをしているのか」など建物の状況に関する質問に口頭などで答える調査のことです。業者依頼時に電話で聞かれる場合がありますので、分かる範囲で雨漏りの状況について答えられるようにしておくと安心です。目視調査は実際に業者が現地で目で見て調査を行います。無料で行う場合の目視調査は器具などを使ったりせず完全に目視の場合がほとんどです。
②散水調査
費用相場:3~20万円
建物に水をかけてどこから雨漏りをしているのかを確認する調査のことです。基本的にはシャワーホースやバケツなどを用いて調査を行います。実際に雨漏りを再現することで高い確率で雨漏りの発生場所、原因特定が可能です。しかし必ず原因が特定できるわけではありませんので、注意が必要です。
③発酵液調査
費用相場:10~20万円
目視などで水が浸入している可能性がある箇所を突き止め、その場所に発酵液を流し込んだ後、紫外線ライトを当てて雨漏りの侵入経路を確認する調査方法です。散水調査よりも工程が多いため高くなる場合があります。雨漏りの侵入経路が複数ある場合は発酵液の色を変えて調査することで、複数の侵入経路を同時に確認することも可能です。
④赤外線サーモグラフィー調査
費用相場:10~30万円
建物を赤外線カメラで撮影し、雨漏りしている箇所を特定する方法です。赤外線カメラは温度を感知しますが、雨漏りが発生している箇所は周辺に比べて温度が低くなっていることがほとんどですので、その仕組みを利用します。温度を感知する性質から天候に左右されるデメリットもありますが、他の調査と比べて高い確率で原因を特定できるメリットがあります。通常は散水調査後か雨が降った後などに調査を行います。
⑤ガス調査
費用相場:10万円前後
室内側からガスを注入し、建物の外部のどの部分からガスが出てくるかで雨漏りの侵入経路を特定する方法です。戸建て住宅ではあまり行われない調査で、主にコンクリート造のマンションやビルに用いられる調査方法です。
部分的な雨漏り修理の費用相場
雨漏りの原因が特定できたらいよいよ修理に入ります。雨漏りの修理と聞くと大きな工事が必要なのではないかと思われがちですが、中には小規模で部分的な修理で済むこともあります。ここでは先に部分的な工事はどんなものがあるかを解説をしながらご紹介していきます。
①コーキング修理
費用相場:2,000~6万円
屋根材の小さなひび割れであれば「コーキング剤」を用いたコーキング修理で済むことがあります。コーキング剤はホームセンターなどでも入手可能で、中には自分で修理されている方もいらっしゃいます。その場合はコーキング剤など材料費だけで済ませることも可能ですが、屋根での作業になるため危険もあり、ある程度の技術が必要になります。そのため個人での作業はおすすめできません。また瓦が剥がれてしまっているなどの場合は範囲が広がるためコーキング修理では対応できません。あくまでも小さなひび割れなどの場合に効果がある修理方法です。
②屋根材の一部差し換え修理
費用相場:1~6万円
屋根材の種類や金額、範囲にもよりますが破損や紛失した屋根の一部を補う修理です。修理範囲や足場の有無などで金額が更に高くなる可能性もあるため、事前にしっかりと業者に確認をしてもらいましょう。
③雨樋修理
費用相場:1~5万円
屋根の雨水を流してくれる雨樋ですが、正常に機能していないと雨水が外壁を直接伝ってしまい外壁の劣化や、雨漏りの原因にも繋がります。雨樋の故障は落ち葉などのつまりや破損、経年劣化によるものが多く、雨樋そのものを交換をする場合は平均して2~5万円程度の費用がかかります。
大掛かりな雨漏り修理の費用相場
台風などの自然災害や経年劣化、メンテナンスなどで屋根全体の大掛かりな修理が必要になる場合もあります。その場合いったいどのくらい費用がかかってくるのでしょうか。もちろん使用している部材や建物の大きさによって変わりますが、ここでは一般的な屋根工事の費用(※足場代は除く)を工事の説明と一緒にご紹介していきます。金額は分かりやすく10坪あたりにしておりますが、ご自宅の坪数に当てはめて計算していただくと大体の金額が分かりますので是非計算してみてくださいね。
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①塗装工事
費用相場:20~40万円/10坪
屋根に直接塗装を行う工事で、屋根全般にかかる工事内容としては一番金額面での負担が少ない工事です。金額は使用する塗料のグレードなどにより変わりますが、日本の住宅で多く使用されている塗料はシリコン塗料です。耐久性は10~15年といわれており、金額は一般的な3回塗りで2,000~3,000円/㎡とされています。
②葺き替え工事
費用相場:20~70万円/10坪
既存の屋根材を撤去し、新たに屋根材を取り付ける工事です。屋根を新しくするため屋根面積が大きいほど金額が高くなりやすい工事ですが、一緒に普段触ることのない下地まで取り替えるため、雨漏りの根本的な原因を取り除きやすく、屋根の寿命も長く保てます。
③カバー工法
費用相場:20~50万円/10坪
既存の屋根に新しい屋根材を被せる工事をカバー工法といいます。既存の屋根材の撤去費用がかからない分、全体的に見て葺き替え工事よりは安く済む傾向にあります。また葺き替え工事よりも工期が短く済むため、雨漏りの度合いや屋根の年数を総合的に判断してカバー工法をすすめられることもあります。
雨漏り修理は自力でなおせる? 万が一の時は応急処置を行おう!
雨漏りが発生しても台風などの自然災害で多くの住宅に被害が出ていたり、梅雨の時期などで修理依頼が多い場合はすぐに業者が駆けつけられない、なんてことも想定できます。しかし雨漏りは何も対策せずに放置してしまうと他の場所に被害が拡大してしまう可能性もあり、気付いた時点で業者が来るまでの間になんとか対策したいものですよね。ここではそんな非常事態を想定し、雨漏り原因別の応急処置についてもご紹介していきます。万が一の際も覚えておくだけですぐに対処できますし、道具など必要なものを予め備えておくこともでき安心ですよ。
①天井からの雨漏り
ぽたぽたと天井からの雨漏りが発生している場合は、バケツなどで水滴を受け止めましょう。これは床に水漏れ被害が拡大しないための応急処置です。水滴の落ちる場所が定まらないような場合は、床を保護するために新聞紙やバスタオルなどを敷いた上でバケツなどを設置すると安心です。ブルーシートやゴミ袋があればそちらを先に敷くと防水性があるためしっかりと床を保護できます。新聞紙やバスタオルを敷いた場合は、そのまま放置してしまうとカビなどの原因になりますので様子を見ながら適度に交換するようにしましょう。
②窓などからの雨漏り
雨漏りは天井からだけではありません。時には窓の枠から雨漏りを起こすこともあります。雨漏りに気付いたらまずは窓枠周辺の水気を雑巾などでしっかり拭き取り、防水性能のあるテープを下から上に向かって貼ります。この時空気が入らないよう手で少しずつ押し上げるようにして張るとより効果的です。ガムテープなどでも雨漏りを防ぐことは可能ですが、剥がす際に壁紙や窓枠の木材・塗装などが一緒に剥がれてしまう可能性があるため使用する際はリスクを踏まえた上で使うようにしましょう。
③直接ブルーシートを被せる
強風などで屋根材が飛ばされてしまった、など広範囲かつ明らかな雨漏り箇所が分かっている場合は直接屋根にブルーシートを被せて固定するという応急処置の仕方もあります。しかし屋根は高所のため危険が伴い、毎年屋根から落ちて亡くなる方がいるほど危険な作業になります。そのためおすすめはできませんが、どうしても必要な場合は作業中は2人以上で、天候のいい日に作業しやすい服装でヘルメットを装着して行うようにしましょう。ブルーシートの固定方法は屋根の傾斜にもよりますが、縦方向に2m程度の木の板を置き、その上から四方を土のう袋などで固定すると屋根の負担も減りしっかり固定することができます。作業が難しそうだなと感じたらとりあえずの応急処置でもプロの業者に任せることもできますので、絶対に無理はしないようにしましょう。
雨漏りした際に確認してほしいポイント
雨漏りについて状況を確認でき応急処置が完了したら、すぐにプロの業者に修理を依頼しましょう。雨漏り修理は屋根や外壁などが関係していることが多く、高額になりやすい工事でもあります。初めて修理を依頼する方などは特に数社に相見積もりを依頼するようにしましょう。相見積もりをとることで修理費用の相場が把握しやすくなり、悪徳業者を見抜くための手段にもつながります。雨漏り修理業者の選び方については別記事でご紹介しておりますので、是非参考にしてください。
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雨漏りした時の修理業者の選び方! 悪徳修理業者を見分けるコツとは?
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雨漏り修理で火災保険は使えるの?
雨漏り修理について調べていると、火災保険が適応になると書かれていることもあり気になっている方も多いかと思います。結論から申し上げますと雨漏り修理で火災保険は使えます。しかし火災保険を受けるためにはいくつかの条件が設定されています。それは「自然災害による被害かどうか」によります。例えば台風や竜巻、風災、雹災(ひょうさい)、雪災によるものなどです。この自然災害による被害を受けたと断定できた場合にのみ火災保険は適応になり、被害を受けてから3年以内に申請する必要があります。経年劣化、自然災害による被害であると認められない、外観をきれいに保つためだけの修理などでは適応になりませんので注意が必要です。行おうとしている工事が適応になるのか自分では判断できない、という方は業者に直接聞くのもおすすめですよ。
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屋根修理で火災保険が使える! 保険を使ってお得に修理するためには?
まとめ
今回は雨漏り修理の費用相場についてや、雨漏り発生時の応急処置の方法などをご紹介してきました。いかがだったでしょうか。雨漏りトラブルは放置して修理を後回しにしてしまうほど、被害が広がり金額も高くなってしまいます。気付いた時にはどんなに小さなことでも構いませんので是非ご連絡ください。イーライフでは経験豊富なアドバイザーが、専門的なこともわかりやすくご説明します。パックプランをご用意しているので、追加料金が発生する心配もありません。もし他社の見積もりがあればご持参ください。当社との見積もりの見比べやご相談にも対応可能ですので、是非お気軽にご連絡ください。