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壁が結露する原因と危険性とは?結露の対処法もご紹介!

お役立ちコラム

更新日:2024/10/24

「壁に手を当てたら手に水滴がついた」「壁の近くの家具が湿気で傷んでしまった」など、このような経験やお悩みはございませんか? 冬の今の時期は、窓ガラスの結露はよく目にするものですが、壁の結露というのはなんだか珍しい感じがしますよね。加湿器を使っている方は「加湿器の使い過ぎが原因かも」「別に問題ないだろう」と、あまり気に留めない方もいらっしゃるかと思います。しかし壁が結露を起こしている原因は、単純に加湿のし過ぎだけではないことも多く、放置することで思わぬ二次被害に発展することもある危険な状態なのです。本記事では壁が結露を起こす原因とその危険性、また壁の結露が発生した場合の対処法について詳しく解説をしていきます。

なぜ壁に結露が発生するの?

壁に結露が発生していても、壁の色や材質によっては分かりにくいことも多いですが、結露が発生している壁は触れると手に水が付きます。そのため、壁に直接触れることで結露の発生を簡単に確認することができます。では、なぜ水に触れていないはずの壁から結露が発生するのでしょうか。壁に結露が発生する原因について、詳しく見ていきましょう。

外気と室内の気温の差

外気と室内の気温の差が大きいと、室内側に結露が発生することがあります。結露そのものは、水分を含んだ空気が冷やされることで水滴となって、窓ガラスや壁などに付着することで発生します。このことを建物で例えると、冬の室内は快適に過ごせるように暖房を使いますよね。その暖房のおかげで室内の空気は暖められ、空気は水分を保ちやすくなります。しかし、外気が寒いと空気中に保有できる水分量が下がってしまい、室内の水分を外に運べず水滴として水分が残されます。これが結露の原理です。冬は室内が暖かく、外が寒いといった状態になりやすいため、どうしてもガラスや壁などに結露が発生しやすい環境になってしまうのです。

壁に接して家具や家電を設置している場合、通気不良が発生しやすくなります。特に、壁と家具の間に隙間がほとんどない状態だと、空気の流れが遮られ、そこに結露が発生しやすくなるのです。家具や家電が壁に近すぎると、温度差が生じやすくなり、壁面が冷えやすくなります。冷えた壁に暖かい室内の湿った空気が接触すると、結露が発生しやすくなります。この問題を防ぐためには、家具や家電は壁から少し離して配置することや、定期的に家具の後ろの掃除や換気を行うことが大切です。特に冬場のような結露が多発する季節には、家具と壁の間で結露が発生しやすくなります。

過度な加湿

特に冬場は乾燥が風邪などの原因になることもあるため、加湿には十分に気を付けているという方も多いのではないでしょうか。しかし、建物にとっては加湿のし過ぎは、あまりいいことではありません。冬は40%~60%が適切な加湿範囲と言われており、この範囲内での加湿は基本的に問題ありません。60%以上の湿度になると、注意が必要になります。加湿を意図的に行わなければ室内湿度が60%以上になることは日本ではまずありませんが、加湿器をお部屋の広さに対して多く設置しすぎてしまったり、加湿器の出力をあげすぎてしまうことで、室内の湿度が60%以上になることは十分に考えられます。湿度60%以上になると、室内で結露が発生しやすい環境になってしまうため、注意しなければいけません。

結露の発生を抑えるためには、適切な換気が欠かせません。室内の空気が動かない状態だと、湿気がたまりやすくなり、壁や窓に結露が生じる原因となります。特に冬場は、外気が寒いため窓を開けたくないという気持ちから、換気を怠りがちです。しかし、空気の流れがないと湿度が上昇し、室内にこもった湿気が冷たい壁や窓ガラスに付着してしまうのです。特に冬場は加湿器を使うご家庭も多いかと思いますが、換気不足と加湿のしすぎによって室内に湿気がこもりやすくなるため注意が必要です。

窓ガラスは、外気と室内の温度差を直接受けやすい場所です。特にシングルガラスなど断熱性の低いガラスを使用している場合、外の冷たい空気が直接窓ガラスに伝わり、室内の湿った空気と接触することで結露が発生します。近年では、断熱性の高い二重ガラスやペアガラスが普及しており、これらを使用することで結露を防ぎやすくなります。また、結露防止シートを貼るといった手軽な対策もありますが、根本的には断熱性能の向上が必要です。特に古い住宅では断熱性の低い窓が使用されていることが多いため、結露が頻繁に発生する可能性もあります。

断熱材不足

断熱材にはさまざまな種類が存在しますが、求める断熱等級の高さにより、使用する断熱材や厚みを変えて施工していきます。断熱施工を適切に行うことで省エネルギーにも配慮されるとして、近年は断熱材の使用に注目する施主も増えましたが、実際のところ今までは施主に必要性が認知されにくい部分でもありました。そのため古い住宅では、住宅の規格や暖房設備に対して断熱材が相対的に足りていないことも珍しくなく、結果として室内外の寒暖差が大きくなり結露を生じる原因となってしまうのです。省エネルギーと断熱材についての関係は、経済産業省の資源エネルギー庁の省エネポータルサイトから確認することができます。

◎参考元
住宅による省エネ/経済産業省 資源エネルギー庁
https://www.enecho.meti.go.jp/category/saving_and_new/saving/general/housing/index.html

壁の結露はなぜ危険?

壁の結露が発生しても、「生活には何の問題もないから放置してもいいのではないか」と思われる方も多いかと思います。しかし、住宅に発生する結露は建物だけではなく健康にも影響を与える可能性があり、実はとても危険なサインなのです。ここでは、壁の結露がなぜ危険なのかについて詳しく解説をしていきます。

建物の安全性が侵される

壁に結露が生じている場合、見えている壁部分だけではなく、壁の中で結露が発生している可能性もあります。壁内結露は、断熱材を劣化させてしまったり、建物の重要な構造部にダメージを負わせてしまうことがあるのです。放置することで、どんどん被害が拡大していき、壁部分だけではなく柱や梁などの重要な構造部分が腐敗し、建物の安全性が確保できなくなるリスクがあります。

結露が発生すると、室内の湿度が上昇し、快適さが損なわれます。湿った空気は、肌にベタつきを感じさせるだけでなく、家の中全体が重苦しく感じられる原因にもなります。特に冬場は、暖房を使用するために乾燥対策として加湿を行いますが、結露が発生すると過剰な湿度により、適度な湿度を保つのが難しくなります。また、湿度が高すぎると家具や衣類も湿気を吸い込み、カビ臭が漂うようになることがあります。こうした不快な環境は、快適に過ごせるはずの自宅が逆にストレスを感じる場所になり、心身に悪影響を及ぼすこともあります。結露対策を怠ることで、家全体がリラックスできない空間に変わってしまうことを防ぐためにも、適切な湿度管理が重要です。

カビが発生する

カビは、高温多湿な環境下を好み、また水垢を養分として繁殖していきます。そのため、冬場でも結露が発生しているような室内は、高温多湿で、壁の水垢も養分要素となるため、カビにとっては絶好の繁殖場所となってしまうのです。カビは人間の目に見えない胞子とよばれる種を飛ばして繁殖範囲を広げていくため、一度カビが発生してしまうと室内の至る所にカビが発生してしまう可能性がでてきます。黒カビや赤カビなど、カビの種類はさまざまですが、そのほとんどが見た目にも影響を与えてしまうため、インテリア面でも悪影響を及ぼします。

結露が引き起こす湿気は、シロアリの発生リスクも高めます。シロアリは湿気の多い環境を好むため、壁に結露が発生し続けると、家の内部にシロアリが侵入しやすくなります。シロアリは木材を食べて建物の構造に深刻なダメージを与えるため、早期発見が鍵となります。結露を防ぐことで、シロアリ被害の予防にもつながります。定期的に壁の状態をチェックし、湿気やシロアリの兆候がないか確認することが重要です。

◎合わせて読みたい記事!
シロアリが発生する原因&予防法! 放置すると危険です!
https://www.elife-home.net/column/shiroari.html

結露は特に窓周辺に発生しやすく、窓枠やサッシに直接的なダメージを与えることがあります。木製の窓枠では、結露水が長期間にわたり蓄積することで木材が腐り始め、見た目に分かりにくい部分で劣化が進行していきます。これにより、窓枠の強度が低下し、さらにはひび割れが発生することもあります。アルミや樹脂製のサッシであっても、結露によってカビやサビが発生し、劣化の進行が早まります。窓は外気と室内空間を隔てる重要な部分であり、その劣化は断熱性や防音性の低下につながります。

結露は壁や窓だけでなく、床材にも影響を及ぼすことがあります。結露水が壁を伝って床まで達したり、床下の湿気が上昇して床材が湿ると、特にフローリングの隙間に水分が浸入して膨張や反りを引き起こします。湿気による床材の劣化は見た目にも悪影響を与えるだけでなく、建物全体の強度にも影響を与える可能性があります。また、湿った床材はカビの発生源となり、さらにはシロアリが侵入しやすい環境を作り出すこともあります。床下が湿気で満たされると、建物の土台部分も危険にさらされるため、結露を放置することで建物全体の寿命が短くなるリスクがあります。

健康被害が発生する

カビは、見た目の問題だけではありません。私たちの健康にも害を及ぼす、危険な存在です。先ほど説明したカビの胞子は、空気中に放出され移動するため、私たちが知らず知らずのうちに吸い込んでしまうことがあります。この胞子は人間にとって有害なアレルゲンのひとつであり、吸い込むことで喘息などの持病の発症のきっかけになったり、アレルギーによる発熱や倦怠感、酷い場合はアレルギー性肺炎を引き起こすリスクもあるのです。小さいお子さんや高齢者など、免疫力が弱い方にとっては命の危険にもつながるため、カビは決して軽視できない存在なのです。

漏電や火災の原因になる

私たちが快適生活するために欠かせない電気設備や電化製品ですが、壁内結露の影響により、建物の中にある電気回線が影響を受けて漏電や電気火災を引き起こすリスクがあります。特に冬は乾燥しているため、室内を温かく保っていたとしても外気からの乾燥した空気の影響により、電気火災の発生率は夏と比べて上昇します。漏電も、気付かずに電化製品化を使ったりコンセントに触れることで、電化製品の故障や感電による火傷の危険性があります。

結露が発生している環境に家具や家電を置いていると、それらのアイテムもダメージを受ける可能性が高まります。特に木製家具は湿気を吸収しやすく、変色や反り、ひび割れなどが発生することがあります。また、カビが発生しやすくなるため、家具が使えなくなるだけでなく、室内環境もさらに悪化することになります。家電製品も湿気に弱く、結露が発生している状態では内部に水分が入り込むリスクがあり、故障の原因になります。電子機器は湿気に対して非常に敏感であり、内部の配線や基板に水分が付着すると短絡や漏電を引き起こす危険性が高まります。

壁の結露の正しい対処法とは?

壁の結露は、実際の被害は見た目だけでは判断できないことも多いです。既に上記で解説したような重大なトラブルが発生している可能性もあります。そのため、壁の結露に気が付いたら、外壁修理や雨漏り修理などが可能な業者に対応してもらうのがベストです。ただし、見つけたその場で被害の拡大を防ぐためにできる対処法もありますので、ここでは業者に来てもらうまでの間にできる対処法について解説をしていきます。

換気を行う

結露は室内の湿度が高いことによって生じている現象です。そのため、まずは室内の湿度を下げるために、窓を開けて換気をしましょう。マンションなどの高層階の場合は、窓が開かないなどですべてのお部屋の換気が難しいケースもありますよね。窓を開けての換気が難しい場合は、除湿器を使ったり、エアコンのドライ機能を使うなどして室内の湿度を下げることができます。湿度を下げることで、今以上に結露を発生することを予防できます。ただし冬場は乾燥自体は健康によくありませんので、時間を決めて定期的な除湿を行う、または60%以上の湿度になったときに除湿を行い湿度調整を行うなどの工夫をすることが大切です。

壁の結露を拭き取る

壁の結露は、放置してしまうとカビの原因にもなりますので、目に見える結露部分は可能な限り乾いた雑巾などで拭き取りましょう。天井に近い場所などは危険もありますので、ヘルメットの着用や二人体制での作業を行うなどして、安全対策に配慮して作業を進める必要があります。ただし危険な作業は基本的に業者が代わりにやってくれますので、手の届かない範囲は無理せず、業者に任せるなどして臨機応変にできる範囲で対処しましょう。

結露付近の電化製品を使わない

場合によっては結露している付近で、漏電が発生していることもありますので、電化製品は可能な限り使用を控えましょう。また濡れた手でコンセントに触れてしまうと、漏電をしていなくても感電してしまうリスクがあるため、不安な場合は近づかないもしくは軍手などをしてコンセントを抜くなどの対処をしましょう。

プロの業者は壁の結露をどうやって解決するの?

業者を呼んだはいいけれど、「実際にどんなことをして結露の対策をするのだろう?」と、不安な方もいらっしゃるかと思います。状況によってケースバイケースではあるものの、ここでは一般的な結露に対する業者の対処法についても解説をしていきます。

現地調査による結露の原因特定

まずは業者は、現場に到着してから結露の原因を特定します。結露に似ている症状としては、雨漏りや配管のトラブルによる水漏れなどの可能性としてあるため、業者による原因特定はとても大切なことです。また結露も見えている部分の壁だけではなく、家全体の他の場所でも発生している可能性もあるため、さまざまな可能性を考慮しながら業者は原因特定を行います。

住宅の断熱効率を上げる工事を行う

断熱効果が低いことによって結露が生じている場合は、業者は適切な工事を行って解決をすることもあります。壁を取り壊すことは珍しく、方法としては窓ガラスを断熱性能がいい物に変える、住宅の外側からパネル状になっている断熱材を貼り付けるといった方法を取ることが多いです。しかし断熱材の腐敗や明らかに断熱材が足りていない場合などは、断熱材を取り換える工事を行うこともあります。その他、窓を断熱性の高い製品に交換したり、劣化によって生じた建具の隙間を補修する工事を行うことがあります。

クロスや床材の張り替え

結露によるカビの発生が酷い状態の場合は、清掃をしても取り切れず、繰り返しカビが発生する可能性があります。そのため業者は、室内のカビが発生している部分のクロス、また床材などにも影響が及んでいる場合は床材も含めて取り換え工事を行うことがああります。こうすることで、カビを根本的に除去することができ、健康被害へのリスクを減らすことができるのです。湿度の高くなりやすい構造や立地環境の場合は、壁の中に防水材や防湿シートなどを追加設置することもあります。特に沿岸部や河川付近、湿地付近にお住まいの方は、住宅の内部から湿気対策をしていく必要がありますので、ただの張り替えではなく、普通のリフォーム工事と併用しながら防湿対策を行っていきます。

結露の根本的な原因の一つは、室内の湿気が逃げにくいことです。業者は、適切な換気システムを設置して、湿気を外に排出する仕組みを整えます。例えば、24時間換気システムや、結露が発生しやすい場所に換気扇を設置することで、湿度の管理が容易になります。特に、窓を開けられない冬場や湿気の多い梅雨の時期には、こうした換気システムが非常に有効です。

まとめ

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