屋根や外壁のリフォームは、住宅の寿命を守り安全に暮らしていくためには必要不可欠なものです。リフォームをしようと決めた後は、まずは業者に見積もり依頼をする必要があります。見積もり作成の過程で、業者は基本的には現地に赴き、現地調査と呼ばれる調査を行います。現地調査という言葉自体はさまざまな場面で使われるため、聞き馴染がある方も多いのではないでしょうか。しかしその一方で、具体的にどんなことをしているか知らないという方も多いです。現地調査は有料調査の場合もあるため、できればなにを調査しているのか、具体的な内容を知りたいという方も多いかと思います。そこで今回は、リフォームの際に行う屋根と外壁の現地調査内容について解説をしていきます。
リフォームの現地調査はなぜ必要?
リフォームの際に、必ず必要になってくる現地調査ですが、現地調査はなぜ必要なのでしょうか。現地調査への理解を深めるためにも、まずは現地調査の役割や必要性について一緒に確認をしていきましょう。
現状を把握するため
「見積もりなら現地にわざわざ来なくても作れるじゃないか」と思われる方も多いのですが、現地調査ではプロの業者が現状を正確に把握するために行うものです。写真だけでは判別ができないものも多く、実際に目で見たり手で触れることで、問題点を確認する作業となります。現地調査は問題を正確に把握するために、とても重要な役割を担っています。
正確な見積もりを作成するため
希望する工事内容と住宅の大きさなどから、ある程度の予算を提案すること自体は可能です。しかし、実際に現地に来たら雨漏りが発生していたことが発覚し追加で修理費用が必要になった、などの問題で初期の見積もりと異なってしまう可能性も出てきます。変動する可能性のある見積もりでは、支払い計画も立てにくく、業者に依頼しにくですよね。契約前に正確な見積もりを作成してもらうためには、現地での調査が欠かせません。
業者の対応を確認するため
現地調査は業者側だけではなく、依頼する側にもメリットがあります。それが、業者の対応の事前確認です。例えば対面せずにやり取りをして契約をしてしまうと、実際に会った時の不信感などを感じても、契約をしてしまった以上は不信感を抱きながらリフォーム工事をお願いするか、違約金などを支払って違う業者を探す手間が発生してしまいます。現地調査では業者と対面をするため、電話やメール以外の業者の対応を目の前で確認することができるため、依頼する側としても安心です。実際に「業者と相性が悪い」「業者の対応に不信感があった」などの理由で契約をしない方もいます。
屋根・外壁リフォームの現地調査はなにをやるの?
それでは、ここからは屋根と外壁のリフォームを依頼する前に行う、現地調査の具体的な内容を一緒に見ていきましょう。現地調査の内容を知ることで、見積もりの内容も理解しやすくなるため、事前調査でどんなことを行っているのかしっかり覚えておくと安心ですよ。
住宅の立地環境
実はリフォーム工事には、住宅の立地環境がとても大きく関わってきます。ひとつめは、工事車両の駐車スペースや搬入スペースが十分にあるかどうかです。特に都心部の密集地などでは、住宅同士が近く、道路も狭いことが予想できます。駐車スペースがない住宅も多く、その場合は工事車両を前面道路に駐車しなければいけないこともあります。前面道路に駐車する場合は、道路の使用許可を警察に提出しなければいけなかったり、警備員の配置を行わなければいけないこともあります。駐車するスペースを確保できない場合は、近くの駐車場に駐車して手運びで搬入しなければいけないこともあります。この場合は、人件費が余分にかかることもあります。このように住宅の立地環境は、工事の日数や費用に大きな影響を与えるため、現地調査でしっかりと確認をしておかなければいけません。
既存屋根材や外壁材の確認
屋根のリフォームでは、既存の屋根や外壁材を残したまま行うリフォームをする場合、既存の素材によってはできない工事もあります。また既存の素材が問題はなくても、劣化が著しい場合などは、既存の素材を撤去しなければいけない場合もあります。こうした判断はプロの業者でなければ難しいことが多く、現地調査で実際に確認をする必要がある部分です。
劣化や雨漏り状況の確認
既存の屋根や外壁に、劣化症状や雨漏りがある場合は、先に修理や修繕を行ってからリフォーム工事を行う必要があります。劣化や雨漏りの正確な状況を把握するためには、やはり現地調査が欠かせません。特に雨漏りの場合は、住んでいる人が気付いていないことも多く、現地調査で初めて自宅で雨漏りが発生していたことに気付く方もいます。現在の住宅の状況を正しく把握するために、劣化や雨漏りの状況を現地調査で確認しておくことは、とても大切なことと言えます。
希望しているリフォーム工事が施工可能かの確認
具体的にどんなリフォーム工事をしたいか、決まっているという方もいらっしゃるかと思います。例えば外壁塗装ですが、一般的に塗装工事はそこまで難しいものではありません。技術を持った業者が行うことで、問題なく施工することができます。しかし、既存の外壁塗装の塗料が再塗装に向かないものであったり、劣化症状が著しく塗装よりもカバー工法や外壁の張替えを行った方がいい場合も時に存在します。こうした判断は、現地調査を行わなければできない判断です。希望している工事が希望通りにできるかどうかの見極めとして、事前調査を行うことはとても大切です。
工事面積の測定
見積もりに大きく影響をするのが、工事面積です。建材の使用や塗料の施工範囲などは、面積に応じて金額が決まります。そのため、現地調査では見積もりを正しく出し、必要な建材を揃えるためにも、正確な工事面積の測定が行われます。
足場の組み立て位置の確認
屋根や外壁は高所作業となるため、リフォーム工事を依頼する際には必ず業者が使用する足場が必要になります。しかし狭小地で隣接する住宅が近すぎる場合は、足場の設置が困難なケースもあり、この場合の対処を検討しなければいけません。対策としては、隣地を介しての足場の設置交渉や、ロープを使用しての作業などがあります。いずれにしても現地調査でしっかりと確認をすることで、工事日までに調整や交渉を行うことができます。
屋根・外壁リフォームの現地調査を依頼する際に注意したいこと
現地調査は契約ではないため、「とりあえず依頼してみよう」といった気持ちで依頼される方も多いのではないでしょうか。実際に予算感をつかみたいといった理由で依頼する方も多く、目についた業者に軽い気持ちで依頼したという経験のある方がいらっしゃるのも、珍しいことではありません。工事を急いでいる、などの理由がないのあれば、それでも特に問題はありません。しかし、屋根・外壁のリフォームを検討している方であれば、いくつか注意しておいた方がいいこともあります。最後に屋根・外壁のリフォームを検討している方に向けて、現地調査を依頼する際に注意していただきたいことについて解説をして終わります。
その場で契約をしないようにする
屋根や外壁のリフォームでは、100万円以上の見積もりになることも決して珍しいことではありません。そのため、見積もりを見てビックリされる方も多いです。そんな中で、「この場で契約をすれば大幅な割引をしますよ」などと言われたら契約をしたくなる気持ちにもなりますよね。しかし、実は大幅値引きやその場での契約勧誘は、リフォーム詐欺でよく使われる手口でもあります。相場も分からないなかで初対面の業者が悪徳業者かどうか判断するのは、非常に難しいことです。お得な見積もりに感じてもその場で契約をしようとしてくる業者には注意をして、回答を急がないことが大切です。適切な見積もりかどうかを判断するためには、他の業者との相見積もりを行ったうえで判断するようにしましょう。
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改善点を具体的に伝える
屋根や外壁のリフォームとひとことで言っても、その内容はさまざまです。より高い機能性を目指してリフォームをしたいのか、見た目重視で色や素材の変更をしたいのか、などによっても業者の提案は変わってきます。リフォームで失敗をしないためには、まずは改善したいところやリフォームの目的を具体的に業者に伝え、共有することが大切です。そのうえで現地調査をしてもらい、希望しているリフォームに沿った見積もりを作ってもらうことができます。屋根や外壁の色なども、リフォームで失敗しやすい部分ですので、色などの言葉で伝えにくい部分はイメージ画像などを用意しておくと安心ですよ。
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保険適応の有無を確認する
意外と忘れられてしまいがちな「火災保険の適応」ですが、みなさんは大丈夫でしょうか。具体的には、屋根や外壁が火災保険の定義する天災の影響を受けて被害が出た場合で、火災保険の適応条件を満たした場合は保険で修理をすることも可能です。例えばリフォームの目的が災害などで屋根の一部が飛ばされた、外壁から雨漏りが生じた、などの場合は火災保険の適応に一致するか確認するようにしましょう。必ず火災保険の適応になる、とは言い切れませんが、火災保険の申請経験がある業者に相談することでスムーズに申請を進めることができます。
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同時施工を実施するか検討する
屋根や外壁のリフォーム工事は、高所作業となるため足場の設置が必要になります。足場は一回の設置につき費用がかかってくるため、一般的には屋根と外壁の同時リフォームが足場の費用を抑えることができ、オススメであると言われています。しかし支払い計画もありますし、屋根の素材が瓦などで耐用年数が長くメンテナンスが現時点では必要ないというケースもあるため、同時施工の実施の必要性は各家庭によって異なります。同時施工をした方がいい場合は、業者からも案内されることが多いですが、長期的な目線でメンテナンスコストを抑えたいという方は業者に相談してみてもいいかもしれません。
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まとめ
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