夏の今の時期、バーベキューや水遊びなどにベランダを使用される方も多いかと思います。ベランダがある住宅ではこうした夏ならではの楽しみ方もできますが、楽しむ前や楽しんだ後に適切な掃除が行えていないと、排水溝の汚れ詰まりなどのトラブルが発生する可能性があり危険です。そのため今回は、夏に使用頻度が高くなるベランダの排水溝掃除について詳しく解説し、また排水溝の逆流や汚れ詰まりの予防法についても解説していきます。
ベランダ排水溝が詰まる原因とは?
ベランダの排水溝が詰まる、と聞いてもあまりピンとこない方も多いのではないでしょうか。普段生活していて目につく場所でもないですし、キッチンなどのように常に水を流している場所でもないため、そもそもベランダの排水溝が詰まるという認識をしていない方も多いです。しかし、ベランダの排水溝は掃除をしないと確実に詰まってしまう場所でもあります。では、なぜベランダの排水溝が詰まるのでしょうか。ベランダの排水溝が詰まる原因について、一緒に見ていきましょう。
落ち葉の腐敗
夏は四季を通して基本的には木々や草花が生い茂る季節です。そのため、落ち葉が発生するようには思えませんよね。しかし夏は台風やゲリラ豪雨に伴う強風などによって、実は落ち葉が発生してしまうことがあります。その落ち葉が排水溝付近に落ち、夏の暑さによってより葉っぱが腐りやすくなっていますので、落ち葉が落ちてから比較的早い段階で腐り始めます。腐った落ち葉はヘドロ汚れのようになり、落ちにくい汚れとして排水溝に流れ落ち、これがベランダ排水溝を詰まらせたり逆流させたりする原因となるのです。
大気中の土や砂の蓄積
台風や強風などによって地面から巻き上げられた土や砂が、ベランダの排水溝部分に溜まっていくことで排水溝詰まりの原因になることがあります。更に雨が降ることにより、土や砂が泥となり、排水溝から排水管に流れ込み詰まりを起こす原因になります。台風の後などは落ち葉なども合わさることにより、より汚れが大きくなってしまうケースも多いです。
食べ物の油
ベランダでバーベキューを行ったり、軽食などを食べるなどの習慣がある方は食べ物に含まれる油などにも注意が必要です。バルコニーでの食事は、食べ物が皿や口から落ちてしまったり、焼いているお肉などの油が飛び散ってしまう可能性があります。例え落ちた食べ物に気付いてすぐに食べ物を拾い上げたとしても、バルコニーの床面には食べ物の油が既に付着してしまっています。その油が雨などにより排水溝に流されていくことで、次第に油汚れが排水溝や排水管内に蓄積され、詰まり汚れを発生させてしまうのです。
水道水中にあるカルシウムやミネラルの堆積
ベランダでプールや水遊びを行う場合は、ベランダに設置してある水栓や室内の水をベランダに運んで使用するケースがほとんどかと思います。基本的には水道水にはカルシウムやミネラルが含まれているため、プールや水遊びの頻度が高くお手入れができていない状態が続くと、カルシウムやミネラルの蓄積により排水不良を起こすケースもあります。
髪の毛による詰まり
洗面所やお風呂の排水溝が髪の毛の詰まりを起こしてしまった、あるいは髪の毛の汚れが溜まってしまったという経験は、多くの人が経験したことがあるかと思います。しかしバルコニーの排水溝においても、同様のトラブルが発生する可能性があります。バルコニーで過ごす時間が長い、水遊びにより髪の毛も濡らして遊びそのまま水を排水溝に捨てている、という場合は洗面所やお風呂と同様に髪の毛詰まりが起きる可能性が高いです。
害虫の死骸による詰まり
洗面所やお風呂の排水溝が髪の毛の詰まりを起こしてしまった、あるいは髪の毛の汚れが溜まってしまったという経験は、多くの人が経験したことがあるかと思います。しかしバルコニーの排水溝においても、同様のトラブルが発生する可能性があります。バルコニーで過ごす時間が長い、水遊びにより髪の毛も濡らして遊びそのまま水を排水溝に捨てている、という場合は洗面所やお風呂と同様に髪の毛詰まりが起きる可能性が高いです。
ベランダ排水溝の詰まりが起きるとどうなる?
ここまでで、ベランダ排水溝が詰まる原因について知っていただくことができたのではないでしょうか。ベランダ排水溝の詰まりは、どのご家庭でも発生する可能性があるトラブルです。では実際に、ベランダ排水溝の詰まりが発生したら、どのような実害があるのでしょうか。いまいちイメージが出来ないという方も多いかと思いますので、ここではベランダ排水溝の詰まりが発生した場合に起こることが予想される被害について解説していきます。
排水不良による雨漏り
雨が降った際、ベランダの排水は一般的なサイズの住宅であれば一箇所の排水溝から行います。しかしこの排水溝が詰まることで排水不良を引き起こし、本来外に排出されるはずの雨水がずっとベランダに溜まってしまいます。ベランダには防水工事が施されているため少しの間雨が溜まっているくらいでは大きな問題はありませんが、防水工事のメンテナンスを適切に行っていない、あるいはベランダの劣化が酷い場合は、ベランダ床面から室内へ雨漏りを起こすことがあります。降水量が多い場合はベランダに出入り口にある開口部から、室内に雨水が入り込み床上浸水を起こすケースもあります。
建物がダメージを受ける
雨漏りが発生してしまうと、目に見える被害だけではなく目に見えない部分で深刻な被害が発生することがあります。そのひとつが建物内部のダメージです。建物内部には柱や断熱材など、私たちが快適かつ安全に生活していくうえで欠かせない重要な構造や素材が組み込まれています。しかし、雨漏りによって建物内部に心酔してしまうと、こうした建物の安全に関わる構造部分や断熱材などの材料がダメージを受けてしまい、腐敗・劣化が早まる原因となります。雨漏りによる部分的な建物の崩落は日本でも実際に起きていることですので、バルコニーからの浸水は決して軽視できません。
カビの発生による健康被害が起きる
雨漏りを放置しておくと、水垢や湿度を養分とするカビが発生しやすくなります。カビは建物の内側にできてしまうと目で確認することができず、気付かない方も多いです。しかしカビの胞子は室内にまで入り込んでしまうことが多く、このカビの胞子を吸い込むことでアレルギーや肺炎が発症することがあります。小さなお子さんやご高齢のご家族、喘息などの持病がある方には命の危険にもつながるため注意が必要です。
害虫が寄ってくる
ベランダに害虫の死骸が出ることで排水溝詰まりにつながることがあると解説をしましたが、その死骸を栄養として更に害虫が寄ってくることがあります。その結果、害虫がどんどん寄ってきてしまい、死骸が増えることも可能性としては考えられます。害虫が苦手な方の方が多いかと思いますが、生活していく上で目に触れる機会が多くなるのは嫌ですよね。また害虫の死骸から出た液体などにより、ベランダの床材などが傷んでしまうこともあります。
ベランダ排水溝の詰まりは掃除で解決できる!
ベランダの排水溝の詰まりは、放置することでさまざまな二次被害を招く恐れがあります。そのため気付いた時にすぐに対処するようにしましょう。また状況によっては、ベランダの排水溝を掃除することで今ある排水不良のトラブルを解消することも可能です。被害を拡大させないためにも、ここではベランダの排水溝が詰まった時に行うべき掃除方法について解説していきます。
排水溝周辺の汚れを取り除く
まずは排水溝付近の大きな汚れから取り除いていきましょう。汚れや落ち葉などは排水溝に流そうとするのではなく、清掃用などにトングを用いたり、怪我防止のために軍手などをはめてから手で取り除き、燃えるゴミとして処理するのが望ましいです。
排水溝の蓋を取り外し中の汚れを取り除く
続いて排水溝の蓋を取り外し、排水溝の中に汚れが溜まっていないか確認しましょう。特に落ち葉などが腐敗して発生したヘドロ汚れや、虫の死骸などは排水溝の蓋の下に溜まりやすいです。取り除ける範囲で問題ありませんので、取り除きゴミ袋に入れて、燃えるゴミとして処理をしましょう。この時にやってはいけないのは、無理矢理排水管にゴミを流すことです。無理矢理流すことで排水管の奥で詰まりが発生し、更に逆流を起こす危険があります。
ブラシで擦り洗いして洗い流す
ここまでの工程で多くの場合、排水不良が改善するかと思います。排水が問題なくできていることを確認したら、排水溝の蓋を開けたついでに掃除用ブラシなどで擦り洗いしておくことをオススメします。ブラシは捨ててもいい歯ブラシなどの小さなサイズがオススメです。排水溝の中が汚れていると、同様に汚れによる排水不良が起きやすくなります。そのため同じトラブルを繰り返さないために、今ある汚れは落としておくようにしましょう。
ワイヤーブラシで排水溝の奥を擦り洗いする
排水溝の汚れを取り除いただけでは排水不良が改善しないという場合は、ワイヤーブラシを使うのもひとつの解決策です。ワイヤーブラシはホームセンターなどで購入することができ、ベランダの排水溝に使いやすいタイプも販売されています。汚れを取り除いた後で、ワイヤーブラシを排水溝の奥に入れ込み、上下左右に振り擦り洗いを行うことで排水溝の奥にある汚れを取り除くことができます。ただし大きな詰まりや虫の死骸などがある場合は、掴み取ることまではできないため、奥に押してしまうことで悪化する可能性があるため無理矢理行うのは危険です。
改善しなかったらプロの業者に依頼する
ここまでの作業を全て行っても排水不良が改善しない場合、排水管の奥部分で詰まりが発生している可能性が高く、個人で対応するのが難しい場合があります。また中には害虫を触れない、という方もいらっしゃるかと思います。こうした理由で自分で排水溝の掃除や詰まり解消が難しい方は、迷わずプロの業者に依頼しましょう。害虫だけであれば清掃業者でも問題ありませんが、雨漏りが発生していないかの確認をする必要があるため、雨漏り修理業者に依頼ししっかり見てもらうと安心です。
ベランダ排水溝の詰まりを予防する方法は?
ベランダの排水溝詰まりは、一度起きてしまうと掃除にしても業者を呼ぶにしても大変ですよね。雨漏りが同時に発生していたら、更に修理費用などがかかってくるため、できれば予防していきたいものです。最後にベランダの排水溝詰まりを予防する方法について解説していきますので、是非お部屋のお掃除と同じように日頃からのお手入れを意識し実践してみてくださいね。
定期的に清掃を行う
一番大切なのは、ベランダ全体と排水溝の掃除を定期的に行うことです。汚れが溜まっているように見えなくても、大気中の砂などが床面に溜まっていることは多いです。雨が降るとその砂が一気に排水溝に流れ込むことになりますので、それを防ぐためにも普段の掃除は欠かせません。夏は急に雨が降ることも多いですので、週に1回程度は掃除を行っておくと安心です。また落ち葉や害虫の死骸なども、気付いた時にすぐに対処するようにしましょう。害虫処理については、直接触れずに掃除機の吸引力を使って掴み取りゴミ箱に捨てるといった商品などもありますので、害虫が苦手な方もそうした便利アイテムを使いながら、定期的に掃除を行っていきましょう。
食べ物を扱った後は洗剤で清掃する
ベランダでバーベキューなど特に油が飛び散るような食べ物を扱った後や、こぼしてしまった場合などは、油汚れ専用の洗剤でバルコニーを洗うようにしましょう。こうすることで油汚れをしっかり落とすことができ、またバルコニーのトップコートを長持ちさせる効果もあります。バルコニーに使えるデッキブラシなどを併用すると、更に汚れが落ちやすくなります。ただし強く擦り過ぎてしまうと逆にトップコートを傷める原因にもなりますので、掃除は適度な力加減で行うよう気を付けましょう。
定期的にプロの業者による点検・メンテナンスを行う
排水溝の詰まりや逆流、雨漏りトラブルを防ぐためには、定期的にプロの業者による点検・メンテナンスも必要です。プロの業者は雨漏りが発生しそうな場所を先回りして修理の提案をしてくれたり、既に発生している可能性のある雨漏りを見抜くことができるます。バルコニーの防水工事のメンテナンスは10年~15年に一度ほどと言われていますが、使用状況やお住まいの地域環境により変わることもありますので、念のために5年に一度のペースで点検・メンテナンスしてもらうと安心ですよ。
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