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【実例写真あり】劣化した軒天の修理はどうしたらいい? 放置するとなぜ危険?

お役立ちコラム

更新日:2024/02/29

みなさんは軒天という部材をご存じでしょうか。もしかすると、初めて聞いたという方もいらっしゃるかもしれません。軒天とは、屋根と裏側部分のことで、ちょうど当記事の一番上にある写真の部分(白い部分)にあたります。近年は軒天の軒の出を長めにとったような形状も人気があります。建築基準法では、軒の出の長さそのものに規定はないため、軒天をどう取り入れるかで住宅の個性を出すことも可能です。そんな軒天ですが、実は屋根や外壁と同様に、日々劣化していきます。劣化を放置してしまうことで住宅の外観に影響を及ぼしたり、雨漏りや害虫被害の原因につながるため危険です。そこで本記事では、劣化した軒天の修理方法を、弊社で実際に修理させていただいた実例写真もふまえながらご紹介していきます。

「そもそも軒天の役割ってなに?」「軒天って必要なの?」と、そんな風に思われている方も多いかと思います。冒頭でも触れたように、最近では軒天外観デザインの一種として、外観のアクセントにするデザインも人気がありますが、軒天の本来の役割は別のところにあります。軒天について理解を深めていただくためにも、ここでは軒天の本来の役割について簡単に解説をしていきます。

雨が降ると、基本的には屋根から雨樋に雨が流されて、雨水桝や下水道に流されていきます。しかし、全ての雨が雨樋に流れつくわけではなく、一部の雨は屋根から地上に落ちていきます。屋根の形状によっては、雨が一箇所に落ちやすい形状になっていることも珍しくなく、雨樋にたどり着けなかった雨が住宅の同じ部分の地面に落ち続けることになります。その結果、住宅基礎の沈殿などが起きる可能性があります。こうした雨水の集中落下を防ぐために、雨樋の他に屋根には軒天が設けられ、雨水を一箇所に集中させないよう均等に分散する役割を担っているのです。

軒天が出ているデザインの場合は、窓に入り込む陽光の日よけの役割や、紫外線で劣化する外壁を保護する役割も果たします。立地環境にもよりますが、直射日光が窓から入りやすい土地の場合は、軒天があることで室内の急な温度上昇や、温度上昇による過度な冷房負担を減らすこともできます。

戸建て住宅では、建物内の通気や換気を軒天で行う設計が多いです。軒天の下には換気孔や通気口が設けられており、軒天をのぞき込むと換気孔や通気口の位置を確認することができます。通気や換気は湿気対策には欠かせず、特に雨が多い地域や湿度が高い地域などでは欠かせません。また表からは分かりにくい軒天に、通管機構や通気口を設けることで、外観デザインに影響が出ないようにする役割もあります。

軒天には、デザイン面だけではなく、建物を守るための役割があるということを知っていただけたのではないでしょうか。そんな軒天も、定期的なメンテナンスを行わないと劣化が進んでいきます。では、劣化が進んだ軒天を放置すると、どのような危険が及ぶのでしょうか。冒頭で少し触れた部分もありますが、ここでは具体的な軒天の劣化の危険性について解説をしていきます。

軒天が劣化している状態だと、耐水性が維持できていなかったり、一部分が破損しているなどの理由により雨漏りが発生することがあります。雨漏りと聞くと、屋根や外壁からのイメージが多いかもしれませんが、このように軒天が原因で雨漏りが発生することがあります。雨漏りを引き起こした軒天はシミになっていたり、一部が剥がれ落ちていることが多く、軒天をのぞき込むことで確認をすることができます。

軒天から雨漏りが発生すると、軒天部分だけではなく、軒天の付近にある柱や梁などの構造部に影響を及ぼすことがあります。すぐに対応できていれば大きなトラブルにはならないような雨漏りでも、放置することで徐々に建物の構造部の腐食が進み、崩落や崩壊のリスクもあり危険です。

軒天の劣化で軒天から雨漏りが発生したり、軒天が剥がれていたりなどのトラブルが発生している場合、害虫が建物内に侵入しやすくなります。特にリスクがあるのが、シロアリです。シロアリは水に濡れた木材や暗い場所を好むため、軒天部分の雨漏りを目指して建物内に侵入し、建物内の木造を食べてしまうことがあります。小さなシロアリですが集団で目に見えない場所で動くため、気付いた時には柱などの木材がボロボロだった、柱などが倒壊寸前だったというケースも珍しくありません。

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劣化した軒天を放置することで、さまざまなトラブルが発生し、危険が生じるということを知っていただくことができたかと思います。では、実際に軒天が劣化している場合は、どのような修理を行うのでしょうか。業者に依頼する前に知っておきたいという方も多いかと思いますので、ここでは軒天が劣化した場合に、一般的に行われる修理方法について解説をしていきます。

一番よく行われているのが、軒天の塗装です。修理が必要な場合は修理対応した後に、軒天をきれいに清掃して、上から塗料を塗っていきます。劣化した軒天はくすんだ色になってしまったり、雨漏りのシミが付いていることも多いですが、塗装を施すことで新品のような軒天になります。メンテナンス工事としても取り入れられている塗装工事は、トラブル発生前に予防的な意味で行う方も多いです。屋根や外壁塗装と一緒に行う方が多いため、10年~15年おきの塗装がオススメです。

既存の軒天が修理を行ったうえで下地材として使える状態の場合は、既存の軒天の上から新しい軒天を重ね張りする修理方法があります。撤去の手間がなく、また見た目も新しい軒天になるため、大きな違和感なくこれまで通り軒天を使うことができます。ただし一部分だけの交換となると、他の既存軒天が浮いてしまう場合があるため、全体の施工を検討される方も多いです。

既存の軒天が傷んでおり、重ね張りでは難しい場合は、重ね張りよりも費用が高くなりますが軒天の交換を行うこともあります。軒天の交換は、既存軒天を全て撤去して、新しい軒天を付けるため新品同様の性能が期待できます。ただしこちらも張替えの場合と同様、一部分のみの対応というよりは、全体の軒天のバランスを見て施工範囲を決める必要があります。

軒天の修理を検討しているけれど、完成イメージがいまいち浮かばないという方も多いかと思いますので、最後に弊社で実際に行った軒天の修理工事の実例をご紹介して終わります。ぜひ今後のメンテナンスや修理の参考にしてみてくださいね。

こちらの住宅では、既存軒天の下地が、劣化の影響を受けて損傷が激しくなっております。下地の損傷が激しいと、その分修理費用が高くなってしまいますので、どの住宅でも注意が必要です。ただし下地の劣化は個人では判断できないことも多いですので、定期的なメンテナンスを行うことも対策のひとつであると言えますね。今回は傷んだ下地材をしっかりと補修し、新しい軒天へ交換を行いました。

BEFORE
AFTER

こちらの住宅では、雨漏りによって傷んでしまった既存軒天についてご相談をいただきました。既存軒天の耐水性が十分ではなく、湿気によって破損亀裂が入ってしまったり破損してしまった結果、雨漏りにつながったようです。張替えのご希望でしたので、住宅の外観に影響がでないよう既存の軒天と同じ色味で新しい軒天を設置いたしました。

BEFORE
AFTER

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