建物を守るうえで欠かせない防水工事ですが、戸建て住宅において防水工事が必要な箇所や時期についてご存じでしょうか。防水工事はメンテナンス工事のひとつとして、定期的に行っていく必要がある重要な工事であるものの、その重要性について知られていないことが多いのが現状です。本記事ではそんな「防水工事についてあまりよく知らない」という戸建て住宅にお住まいの方に向けて、防水工事の重要性やメンテナンスを行うべき箇所、適切なメンテナンス時期について詳しく解説をしていきます。また、防水工事を行ううえで気になる費用相場についても、それぞれの箇所別に解説をしていきます。
防水工事の重要性とは？
防水工事は、名前の通り水から建物を守るために行う工事のことです。戸建てやマンションに問わず、防水工事は新築時に必ず施工されますが、メンテナンスをしないと劣化していくものです。そのため、新築や前回の防水工事から一定期の期間を過ぎた場合、メンテナンスの一環として防水工事を行っていく必要があります。では、なぜこのように定期的に防水工事を行っていく必要があるのでしょうか。ここでは、防水工事の重要性について一緒に確認していきましょう。
雨漏りから建物を守る
防水工事は、雨水の影響を受けやすい場所に施工されるため、定期的にメンテナンスを行っていくことで雨漏りから建物を守ることができるようになります。雨水が一度建物内に侵入してしまうことで、建物内部の断熱材や構造部分が腐食してしまったり、崩落する危険があります。雨漏りは二次被害という面でも大きな影響を与えるトラブルですので、定期的な防水工事は建物にとっても大切なことなのです。
害虫から建物を守る
防水工事のメンテナンスを怠ると、雨漏りだけではなく害虫被害に遭ってしまうことがあります。雨漏りにより腐食した断熱材や構造部分は、シロアリなどの害虫が好む餌へと変化してしまうのです。また、防水工事が適切に行われていない場所からひび割れなどが発生し、害虫が容易に建物内に侵入しやすい環境にもなってしまいます。こうした害虫から建物を守るためにも、防水工事は欠かせません。
耐候性・耐久性を高める
適切な時期に防水工事を行うことで、建物の耐候性や耐久性を高め、建物の寿命を延ばすことに役立ちます。特に防水工事が必要な部分は、雨水だけではなく紫外線なども受けやすく、適切なメンテナンスを行わないとすぐに建物が傷んでしまいます。定期的にメンテナンスを実施することで、こうした自然の劣化を予防し、最終的には建物へのダメージを負担することができるのです。
戸建て住宅の防水工事が必要な個所と費用とは？
ここまでで、防水工事の重要性について知っていただくことができたかと思います。しかし防水工事がどの場所に必要なのかについてまでは、知らない方が多いのではないでしょうか。実際に生活をしていて、防水工事のことを意識する機会は少ないものです。そのためここでは、メンテナンスの計画を立てる際に覚えておいていただきたい、戸建て住宅の防水工事が必要な個所や、その費用について解説をしていきます。
屋根や屋上
屋根や屋上は、雨水や紫外線の影響を一番受けやすい場所に位置しているため、耐候性を高める防水工事が必要になります。屋根や屋上で一般的に使われることが多いのが、ウレタン防水です。屋上のみで見ると、シート防水も人気です。それぞれの防水工事によって工法や費用が変わりますが、ウレタン防水やシート防水を屋根や屋上に施工する場合、20万～40万円程度が費用相場となります。
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バルコニーやベランダ
屋根や屋上以外で防水工事が必要になるのが、バルコニーやベランダです。室内とは違って、天候の影響を受けるバルコニーやベランダは、防水工事を行わないと雨漏りの原因につながってしまいます。また、屋上にも同様に言えることですが、人が歩く想定の場所であれば防水層の上からトップコートを施工する必要があります。トップコートを施工することで、歩行による摩擦や摩耗から防水層を守り、雨漏りを起こしにくくすることが可能です。バルコニーやベランダの防水工事では、防水層のやり変えを行う場合は20万～30万円ほどが費用相場となります。
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その他
防水工事としては屋根や屋上、バルコニーやベランダがあげられますが、その他で防水処理を行っておくべき箇所もあります。具体的な個所としては、外壁や窓枠、ウッドデッキがあげられます。これらは厳密には防水工事としての工事はありませんが、それぞれ天候による影響を受けやすい場所ですので、適切な防水処理を行っておく必要があります。外壁や窓枠であれば、コーキング材やクラック（ひび割れ）などの修理、外壁の再塗装などを行うことが推奨されています。ウッドデッキであれば、防水コーティングを塗装したり、フェイクウッドに変更するなどの方法があります。
防水工事の適切なメンテナンス時期はいつ？
防水工事が必要な個所は、住宅全体でも広い範囲で必要になるということを知っていただけたのではないでしょうか。では実際に防水工事のメンテナンスを行う場合は、いつ行うのがいいのでしょうか。ここでは、防水工事を行う際の適切なメンテナンス時期について解説をしていきます。
10年～15年に一度
特に今までに大きなトラブルがない場合は、10年～15年に一度のペースで防水工事のメンテナンスを行うことが推奨されています。この10年～15年に一度というのは、屋根や屋上、ベランダやバルコニー、その他の場所も含まれているため、一度に全ての箇所のメンテナンスを実施される方も多いです。高所作業の場合は足場代が別途15万～20万円ほどかかるため、屋根や外壁などでは特に一度にメンテナンスをしてしまった方がお得になります。
雨漏り歴がある場合は5年～7年に一度
既に雨漏り履歴がある住宅の場合は、通常の10年～15年のスパンよりも短い5年～7年程度に一度のメンテナンスが推奨されています。更に深刻な雨漏りを経験している住宅では、5年～7年よりも更に短いスパンでのメンテナンスや修理が必要になることもあります。雨漏りの原因やその後の修理状況によっても変わるため、次回のメンテナンス実施について業者と相談しておくと安心です。
点検は年に一度
メンテナンスを行った後、多くの業者ではアフターフォローとして点検をしてくれます。業者によって金額は異なりますが、点検のみの単発依頼を行う場合では一ヵ所につき5,000円～15,000円程度が点検費用の相場となります。定期的なメンテナンスを業者に依頼する前提で、点検を無料としている業者もいるため、点検を依頼したいと考えている場合は、先に業者に費用を確認しておくようにしましょう。点検を毎年実施することで、屋根の劣化を把握することができ、修理が必要な個所があればすぐに対応することができます。毎年の点検は多いと思われる方もいらっしゃいますが、新築であっても一年以内に雨漏りを起こすリスクはゼロではありませんので、建物を守るためには定期的な点検がとても大切です。
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防水工事の業者選びで気を付けたいこととは？
戸建て住宅で防水工事を実施する際にかかる費用や、防水工事を行わなければいけない場所などについて、詳しく知っていただけたのではないでしょうか。では、実際に防水工事を行う際には、どのような業者に工事を依頼すればいいのでしょうか。防水工事は建物にとっても重要な工事となるため、施工不良や悪徳業者を避けるためには、防水工事を行う業者選びも大切になってきます。最後に防水工事を依頼する際に、業者選びで気を付けていただきたいことについて解説をして終わります。
資格を保有している業者を選ぶ
防水工事を初めて依頼するという方で、業者についてよく知らないという方であれば、業者が保有している資格に着目してみるのもオススメです。防水工事では作業員に資格の保有義務がないため、初めて依頼する業者であれば業者の技術力という部分が分かりにくいものです。しかし保有している資格に着目することで、一定の技術力や知識量があることが判断できるため、業者選びの手段のひとつとしては資格を見ることはとても有効です。ただし気を付けたいのが、資格＝優れた技術、とは限らないということです。資格を保有していなくても優れた業者はたくさんあるため、資格がないからダメだというわけではありません。あくまでもひとつの判断材料として見るようにしましょう。
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見積もり内容が明瞭な業者を選ぶ
高額になりやすい防水工事ですので、やはりお金の面ではできるだけ安い業者に依頼したい、と考えるのは当然ですよね。しかし、安さばかりに気を取られてしまうのは危険です。悪徳業者の一部には、安い費用で契約をさせて、後から追加料金を請求してくるような業者や手抜き工事をする業者がいます。こうした業者の共通点は、見積もりが明瞭ではなく金額だけが強調されているものが多い、という点です。きちんとした業者であれば、使用している材料名や個数、その他諸経費を分かりやすく項目別に明記しています。業者を選ぶ際には金額はもちろんですが、その内訳までをしっかり確認するようにしましょう。
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まとめ
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